ユメリアの世界

□さあ、進もう
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外は暗くなり始めていた。空には月が、遠くからは狼の吠える声が聞こえる。

「……っ」

少しおびえたような表情で、窓から外を見る歩柚。その様子に気付いたのか、十夜はカップを歩柚に差し出した。

「飲めよ、今日は出発しねぇから」

十夜から半ば強制的にカップを渡され、歩柚はカップの中と十夜の顔を見比べていた。

「…んだよ」
「いや、あの…これ、」
「牛乳だよ。温めたやつ」

その言葉を聞いて、歩柚はカップに口をつけた。

「甘い…」
「砂糖入れたから」

その味が気に入ったのか、歩柚はあまり喋らずにホットミルクを飲み干した。

「ありがとう、十夜」

歩柚はカップを十夜に返すと、壁に寄りかかり眠ってしまった。

「…はぁ。布団くらい被れよ」

そっと布団を歩柚にかけて、隣に座って歩柚の顔をまじまじと見る。



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