◆社会情勢から読み解くΧストーリー構造論 ──時代変遷と作品展開における一考察 …まあ、その、なんだ。「歌は世につれ、世は歌につれ」ということわざにもあるとおり、Χシリーズも時代の空気とかそういうものを反映しているよ、という話。 Χの物語展開と、それに関係ありそうな流行語その他を並べて比較する考察です。 とはいえ、独断と偏見と主観が混ざりまくりのため、お遊び程度に思ってお読みくださいませ。 それではLet's Try!!!
■社会の流行と物語の変化 なかでも注目に値すると思われる出来事は、 2002年のロックマンゼロシリーズ開始によって 『組織側が正義』 から 『反逆側が正義』 へ と立場が逆転したことです。 これまでは「反逆者をやっつける」組織側がヒーローだったのが、今度は「組織をやっつける」反逆者がヒーローとなった。 しかも同じ頃、偶然か必然なのか 「組織vs少数派」の戦いを思わせる『内部告発』『抵抗勢力』といった語が世の中でちょうど流行していました。 「既存の組織に対抗する=カッコイイ」という意識がその数年あたりで特に強まっていたことがわかります。 ゼロシリーズでの物語設定は、そこから生まれた発想の転換だったのかもしれない。 その後、Χシリーズでも自警団からハンターに転入したアクセル(Χ7)、ルミネの『新しい世代』発言(Χ8)など、よりいっそう善悪の立場のあいまいさが加速していきます。 ラスボス=絶対悪=シグマさえ倒せばメデタシメデタシというのも、世の中の流行や雰囲気と合わなくなってきたということかもしれません。 他に分かりやすい例としては、2009年「新型インフルエンザ」が流行語になると、翌年のロックマン10で「ロボットエンザ」が登場するなど、 未来のことを扱ったSF作品でありながら、現代の世相や発売時の流行がさりげなく取り入れられていることがわかります。 ただ、それらが、意図的に取り入れられたのか無意識のうちにそうなったのかは、わかりません。 ゲーム開発の皆様が「世の流行を取り入れよう!」と考えて、最も流行っている物をリサーチして意図的に入れたのかもしれないし、 あるいは、お話を考える担当の人が「最近インフル流行ってるなー」と無意識に考えながら書いてたからインフルの出てくる話になった、という可能性もあります。 |