駄文

□うまれかわっても(佐かす)
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甲斐のとある山の頂上の樹の枝。
俺様は毎回、戦が終わると決まってソコに行ってしばらく月を眺める。
いわゆる癖だ。
今日は戦はなかったけど行きたくなって
静まりかえる城を抜けてきた。

ソコに行ってみれば
先客がいた。
見慣れた金髪と黒い忍の服。

「かーすがっ」
「煩い。呼ぶな」
キッと睨まれた。

俺様はかすがの隣に静かに座って
空を眺める。

「今日は…満月だな」
「そうだな。」

短い会話と
長い沈黙。

「いつも来ているのか?」
「いんや。今日はたまたまここに行きたいなって思ってさ。かすがは…」
「聞くな」
あらら
さえぎられちゃったよ。
チラとかすがを見れば少し顔が歪んでる。
感情がでるのは忍失格っていってんのにな…。

まぁ俺様も人間だから
多少の感情はある。

かすがのこういう顔が分からなくもない。

「なぁかすが?」
「なんだ?」


「俺様たちさ、うまれかわってもこんな風に一緒に月見れたらいいな」

そういって
またチラと見る。

少し嬉しそうな顔。

「そうだな…」

うまれかわったら
この人を好きになって愛せたらいいな。

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