冠を抱きし者
□二章
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―変える事の出来ない事実―
「『近いうちに父と出会う』か、本当に会えるといいな」
昨日会った占い師の老婆の言葉を小さくつぶやくと
「何か言ったかい?」
とおばさんが聞いてきた。
「何でもないよ」
僕はそれにそう答えて
「お使い行ってくるね」
続けて言って出て行こうとすると小母さんに
「そうかい。じゃあ、頼んだよ。お使いから帰ってきたら大神殿に行っておいで。
今日は大神官様のお話が聞ける数少ない日だからね。」
と言われた。それにそうするよ。と言ってから
「行ってきます」
と言い家を出て昨日も来た通りに着くとおばさんに頼まれた物を買うことにした。
まず最初に買ったのはロエの葉。
これは香草の一種で煮込み料理によく使われる。白に近い緑の葉だ。
次に買ったのはラカの実とパタ、カロテの3つだ。パタもカロテも両方とも野菜だ。
パタはそのままだと食べられないから茹でたり揚げたり炒めたりして食べる。
茹でたパタはホクホクしていてとてもおいしい、
茹でたパタをつぶして衣をつけて揚げたパタラは僕の好きな食べ物だ。
カロテは生でも食べれる、硬いけど。
綺麗なオレンジ色をしていてサラダやあとは煮込み料理、肉料理の付け合わせに使われている。
たまにだけど、お菓子にも使われている。
その後に行った肉屋で買ったのはラマンの肉だ。
ラマンは小型の動物でその毛は暖かく寒い日にはその毛で作られたマフラーが役に立つ、もちろんラマンの肉はおいしい
少し独特のにおいがあるけどね。
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