冠を抱きし者
□二章
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「あとは….エンカが一袋。あれ、おいしいけど辛いんだよね」
つぶやくと
「エンカが欲しいのかい?ならこれはどうだい、今朝、入ったばっかりだよ」
そう言って見せられたエンカはおいしそうな赤色をしていた。
エンカは赤く辛い実で大きさは赤ちゃんの手のひらほど、
中にある種は食べられないから取り出してから調理する。
「おいしそう!一袋いくら?」
聞くと、売っているお兄さんはそうだろと言った後に
「3ラマートだ。坊ちゃんは『銀の猫』にいる子だろ」
指を3本立てて言うとだからこれはおまけ、と袋に4個たしてくれた。
ありがとうと言ってお金を払い家に戻り厨房に買ってきたものを置くと、
「お金は足りたかい?」
おばさんに聞かれ
「足りたよ。2ラマート余った。」
言って余ったお金を渡そうとするとそれはあげるから神殿に行っておいで、そう言われた。
「分かった、ありがとうおばさん。行ってきます」
「遅くならないようにするんだよ」
後ろからかけられた声にうんと返事をして大神殿に行くと
「結構人いるんだ」
そう言えば王都に住んでる人は年に一回は必ず行くっておばさんが言ってたっけ。
そんな事を思いながら前の方に見つけた席に座ってしばらくすると大神官様が出てきた。
そして挨拶をするとこの国の創世神話を語ってくれた。
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