流星シリーズ

□第一話『てんしとあくま』
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 ここはルーナ・ファミーユ城、イタリアの山奥にある古城だ。その最奥にある一室、女の子らしく可愛いぬいぐるみなどが置かれた部屋の中央付近に置かれたベッド、その上でプラチナブロンドの髪の少女が静かに寝息を立てている。



「んぅ…」



 少女の名はアオイ・ルナ・インペラトリーチェ、世界一と謳われる暗殺部隊・ダイヤモンドダストグループの会長である。



「んっ//」



 腰まで届きそうなプラチナ色の長い髪、絹のように真っ白な肌、細くスラッと伸びた手足、艶やかな唇、身長は小柄なようで153cm程だろう。



「…ふぁぁっ」



 眠た眼を擦りながらシーツをずらして上半身を起こすと、寝間着どころか下着すら着けていない状態でベッドを下りると全身から白い煙のような気体が溢れ出してきた。やがて納まると女子高生のような可愛らしい制服姿になっていて、リボンや髪飾りの位置を確認してアオイは部屋を出た。そして、エレベーターホールに向かっていると、同じ制服を着た少女が2人向かい側から歩いてきた。



「アオイちゃんお早う♪」



 彼女はアデラシア………アオイを守る最高幹部の1人で国連軍によって様々な生物の遺伝子を組み込まれたキメラ、アオイに世界中の武術を叩き込まれた世界最強の生物である。



「姫様お早うございます」



 こちらの彼女はシェヘラザード・アルディーニ………アオイを守る最高幹部の1人で彼女を姫様と呼び敬愛しており、彼女に叩き込まれた剣術は光速とまで言われている。



 食堂に到着すると、同い年くらいの少女が2人で向かい合う形で座っていてアオイたちはその席に向かった。



「お早うございます皆さん」



 物腰柔らかい彼女はセレナーデ………アオイを守る最高幹部の1人で重火器のスペシャリスト、その火力は戦争レベルで町一つを一晩で壊滅させたことがある。



「随分と早いですねセレナーデ、パルミラも一緒だったのね?」



「おはよう…アオちゃん」



 少し片言で喋る彼女はパルミラ………アオイを守る最高幹部の1人で神の手を持つと言われる一流の医者、医学を用いた拷問や尋問を行いその情報をアオイに伝える役割を持っている。



「えぇおはようございますパル、今日は確か…」



 食事を始めると、アオイは今日の予定について確認を始めた。



「最高幹部会…」



「そうでしたね、今回はセレナーデが議題を考える番でしたか?」



 そう言われた彼女は否定したあと、パルミラを見て“今回は貴女でしたよね?”と、告げた。



「…今回はグーフォについて」



 グーフォ………ダイヤモンドダストグループと対を成す暗殺組織、名の由来は夜行性で音もなく羽ばたく梟である。



「その話はまた後ほどに致しましょう?」



 話の最中にスマホを見ていたアオイは急に席を立った。



「何かあるのですか姫様?」



「リオから連絡です。どうしたのですか?」



(やっほーアオっち♪グーフォって奴らの仲間を捕まえたんだけどさーw持って帰るのに車寄越してくんない?)



 ギャル口調で喋る彼女はリオ・リュウガサキ………アオイを守る最高幹部最後の1人、自在に姿を変えて様々な場所に潜入工作を行う所謂忍び。戦闘に関しても高水準で特殊部隊並みの戦闘能力を持っている。



「すぐに向かわせましょう」



(じゃあ何時ものセリーヌ・カフェにいるからヨロー♪)



 待ってる場所を告げるとリオは電話を切った。



「やれやれwそこにいるのでしょクリスティーナさん?」



「こちらに居ますわ会長」



 廊下から顔を見せたのはメイド服を着た金髪碧眼の美女・クリスティーナ、アオイのスケジュールを管理したり表舞台に立つ際の代理も務めている。
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