Syuhei.H

□条件反射
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愛しい背中が見えたから名前を呼んだ。

「修兵」

彼は名前を呼ばれたのだから当たり前、私の方に振り向く。
それを確かめて私は修兵の方へ足を進める。
そのまま修兵の首に腕を絡み付けて抱き付く。
ここが何処で今は何の時間かなんて私の頭から既に外に追いやられている。
だから、横を通る隊員達が顔を赤くしたり驚いたり声を上げたりして私達を見ているのなんてお構いなし。
俺仕事中なんだけど、という苦笑いした修兵の主張もさらりと流して抱き付く腕の力を強める。

「今、なぜか無償に修兵に甘えたいんです」

「珍しいな」

修兵が何か起きるんじゃねえの?と笑いながらも私の背中に腕を回してくれるのが嬉しい。
修兵の程よく筋肉のついた胸に顔を押しつけて呼吸をすれば煙草と香水と少しの汗の匂いが交ざった修兵の匂いが鼻腔をくすぐる。

「もう少し、このままでいさせて」

まだ修兵を感じていたいから。




(この状況を作るのが意識的にではなく、そこに修兵が居るからという条件反射に変われば良い)




END
 

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