Syuhei.H
□お昼寝
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気が付いてみれば、自分は止まっていた。少し、ぼーっとしていたというか思考が止まっていたというか。はて、さっきは何をしていたのだろう?状況を整理しようと周りを見る。まず、ここは外で、自分は木陰に座っている。辺りは静かで誰も居ないし何もない。
「あれ?…えっと…?」
特に何も思い出せない。本当に自分はここで何をしていたのだろう?
「何、考え込んでんだ?」
誰も居ないと思っていたから、驚いて声のした方へ顔を向ける。
「あ、修兵…?」
隣に寝転んでいる修兵が居て、眠そうに細い目をさらに細くしてこちらを見ていた。寝転んでいるから、さっきは視界に入らなかったみたい。
「何だよ、どうかしたのか?」
「ううん。ねえ修兵、あたしがさっきまでここで何してたかわかる?」
とりあえず隣に居たんだから何かわかるかと思い、きいてみた。そうしたら、一瞬止まってから呆れた顔になった。
「よっと」
寝ていた体を起こして面倒臭そうに頭をいじってからあたしの方を向いた修兵。
「何言ってんだ?お前が天気が良いから外へ行こうって言って、仕事サボってここに来たんだろ?」
「え、そうだったっけ?」
「自分が言い出しっぺのくせに覚えてねえのかよ。まあいい、俺は寝るから、日が傾いたら起こしてくれ」
「え〜」
すぐに寝息をたてて寝始めた修兵。
最近は色々あって仕事が忙しくて疲れているだろう。そう思って、休ませるためにも外に連れ出した。案の定、疲れていたみたい。
思ってた以上に空が晴れてて、吹く風も心地好かった。そうだ、空に浮かぶわずかな雲を目で追ってたんだ、あたし。
日が傾くまで何してようか。ああ、あたしまで眠くなってきちゃった。
END