他三国志書

□GWの前に
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「暖かくなってはきたが、まだ夜は寒い。早よう帰って、暖かいものでも食べるとするか」
「……そうだな」
他愛のない話に、嬉しそうに笑う夏侯惇の手を取り、曹操は歩き出した。
最初、驚いた顔をした夏侯惇ではあったが、目元を赤らめるだけで、なにも言わず、曹操にあわせて歩き始める。
「まあ、今宵は寒くはなかろう。お主が暖めてくれるからのう」
「戯れ言はいい加減にしろ、孟徳」
「そうよなぁ。じらされるのは、好きではないか?」
「ふんっ」
顔を背けてもつないだ手を変わらず、曹操は微笑む。
どうせなら、ずっとこうして繋いでいたいと思ったのは、どちらもだろう。



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