SS詰め合せ

□パラレルSS
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 17と言えば、高校生である。
 高校生といえば、バイトができる歳である。
 一年から始めれば、多少使ってもそれなりに貯まる。
 社会人の給料三ヶ月分ぐらいにはなろう。
 サイズを間違えるなんてへまはしない。
 何度も何かと理由を付けて、触ったからな。
 おかげで、編み物と手相占いという、くだらない能力を身に付けてしまったが、そんなことはどうでもいい。
 で、問題は受け取ってもらえるかだ。
 結論は、絶対に受け取らない、だ。
 して、どうするか。
 受け取るだろうものを選べばいい。
 返却しないと言わせることが可能なもの。
 相手は医者だ。
 白衣なら、文句は言うまい。
 白衣のポケットに忍ばせておけば、物を入れたときに気付く。
 気付いたときには遅いというわけだ。
 白衣は、二日に一回は洗っていると聞く。
 最近、代えの白衣を何枚も駄目にしたらしいから、案外すぐに使うだろう。
 十年以上待ったのだ。今更、一週間や一ヵ月ほど待つぐらい、大したことではない。
 確かあいつは、二本目の時に、十本目のあの件のことをそれとなく探ってみたら、すっかりと忘れていたな。
 好都合だ。
 ふっ、子供だと侮ったな。
 父のことなど、知ったことか。
 大体、母が居ながら、あいつにまで手を出そうとしていることがおかしい。
 そんなことはともかく、さて、行くとするか。


 口の端を上げ、曹丕は十本の薔薇を束ね、抱えると、紙袋を持ち、薔薇の咲き乱れるその場から後にした。





そのうち続き書きたい…
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