他三国志書

□熱
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 そっと、肌に触れると、びくっと大袈裟なほど夏侯惇の体が跳ねた。
「美しいな……」
「そのようなことは、ございません……んっ」
 鎖骨を軽く舐め、きつく吸うと、夏侯惇は眉をひそめた。
「殿、何を……?」
 何をされたか分かっていないのか、困惑する夏侯惇につけた紅い跡を見ながら、曹操は笑んだ。
 白い肌に浮き出す紅い跡は、独占欲の証しである。
「お前が私のものであると、思いたいのだ。もっと跡を付けたい」
「……どうぞ、お好きなだけおつけください。私は殿のものです」
 夏侯惇の言葉に気をよくし、あちこちに跡を付けていく。
 途中、感じるのか、ぴくぴくと体を震わせる夏侯惇が愛しくて、曹操は嬉しくなった。
「はっぁ……」
 ぺろっと乳首を舐めると、小さな声を上げた後、夏侯惇は自分の口を塞いだ。
「隠すな。聞きたい」
 恥ずかしそうに口から手を外し、夏侯惇は曹操に不安げな視線を送る。
「お前は身を任せてればよい。悪いようにはしない」
 こくりと頷いた夏侯惇は、幾分か安心したようだ。
 その様子に、曹操はほっとした。




「ひゃっ!あぁ、あ……はぁっ……」
 体を反らし、快楽に身悶える夏侯惇の痴態に曹操は呼吸が荒くなる。
 しとしとと濡れる陰茎に躊躇なく舌を絡ませれば、夏侯惇は曹操の脱ぎ捨てた着物を握り締め、陸に上がった魚のように跳ねる。
「ひゃぁ、殿ぉ……」
「もういくのだろ。いってしまえ。お前のを飲ましてくれ」
「だ、駄目です……あっ……」
 いやいやと首を振る夏侯惇に構わず、陰茎を口に含み、上下に抜いてやる。
「離して、くださ……でてしま、やっあぁぁぁぁ!」
 震える夏侯惇の腰を押さえ、口の中に吐き出されたものを味わうようにゆっくりと飲み下す。
 不味いはずの精液が、夏侯惇のものだから、甘く感じられ、曹操は恍惚と口の端についたものも指で拭い舐めとった。
「申し訳ございません……」
「欲しいといったのは私だ。謝ることではない。それに、美味かったのだ。まだ欲しいぐらいだ」
 整わぬ息のまま謝る夏侯惇に、曹操はそう口にし、夏侯惇の陰茎を下から上へと舐めた。
「それに……お前にはここで私のを受けとめてもらわねばな」
 やわやわと、夏侯惇の後孔を解すように曹操は撫でる。
 ゆっくりと一本指先を飲み込ませ、抜き、また飲み込ませるという動作を繰り返しながら、少しずつ深く潜り込ませていく。
「辛くないか?」
「はい……」
 一本完全に飲み込んだところで問えば、夏侯惇は頷く。
 だが、答えとは正反対に眉を潜め、辛そうに顔を歪ませている夏侯惇に、曹操は胸が締め付けられた。
「我慢できぬなら言え」
 言うとは思えなかったが、そう言い、曹操はゆっくりと探りながら抜き差ししする。
 男の体は女と違い、受け入れる場所というものがない。
 だから、ことさらゆっくり優しくと、曹操はそう決めて、時間を掛けて慣らしていく。
 大分、慣れたのか緩んできた後孔に、指をゆっくりと二本入れた。
 夏侯惇が息を呑み、体を強ばらせたのがわかり、曹操は動きを止める。
「力を抜け。ゆっくりと呼吸しろ――そうだ」
 言われた通り呼吸しだした夏侯惇に合わせ、曹操は指を動ごかす。
 しばらくそれを繰り返した時、聞き逃すほど小さな呻き声を上げ、夏侯惇は口を開いた。
「……殿……」
「何だ?辛いか?」
「違います……ただ、ぁ――」
 小さく上ずった声を漏らす夏侯惇に、曹操は言わんとすることが分かった。
「感じているのか?」
「わかりま……せん……ただ、あつ……くて……」
 先程から触れている場所を刺激してやると、夏侯惇の呼吸が乱れ、瞳に涙を浮かべて曹操に縋りついてくる。
 初めての感覚に戸惑いを浮かべ、恐いのだろう。
「そうか。このあたりか……」
「ん!あっ、ふ!」
 指を三本に増やし、今度は一気に貫いた。
 びくっと体を跳ねさせ、夏侯惇は曹操の腕に爪を立てる。
「あ、あぁぁっ、ひゃぅ……ひっ、あ!」
 激しく抜き差しを繰り返せば、ぐちゃぐちゃと水音を出し、ひっきりなしに夏侯惇は高い声を上げた。
 ばらばらに広げるように指を動かすと、悲鳴のような高い声が上がり、無意識にきつく中の指を締めた。
「……我慢できん」
 濡れた指を抜き取り、下衣を脱ぎ捨てると、堅く張り詰めたものの先を夏侯惇の後孔に当てがった。
 時間を掛けただけあって、ぐったりと横たわる夏侯惇は、ゆっくりと挿入した曹操自身をすんなりと受け入れる。
 鍛え上げた肉体だけあって、女のようにただ受け入れるだけでなく、きつく狭いうえによく締まる。
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