他三国志書

□天は舞を欲す
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 最後まで受け入れた場所は、切れて血を流している。
 傷つけてまで、自ら受け入れたことは嬉しかったが、それよりも夏侯惇の体が心配だった。
「受け入れるほうは負担が多いことは分かっていて、どうして……。傷つけてまで、お前と繋がりたいとは思っていない」
 何よりも、夏侯惇のことを優先したいと考えていた。
 そのためなら、早く繋がりたいという気持ちを押さえ付けて、前戯に時間を費やすことぐらい、わけがないというのに。
「はや、く……殿を、感じ……たいと、そう……思い……」
 痛みに青ざめた顔を撫で、曹操は唇を塞ぐ。
 そこまで言ってくれた夏侯惇を楽にしてやるには、方法は一つしかない。
「ん、ん、ふっ……」
 口付けを深め、夏侯惇の萎えてしまっているものを優しく扱いながら、ゆっくりと腰を動かした。
 苦痛に歪んだ表情が段々と和らいでいくさまを見ながら、曹操は優しく攻め立てた。
「ふわぁ……あぁ……」
「良くなってきたか?」
 分かり切ったことを問えば、夏侯惇は首を縦に振った。
 おそらく、快楽で羞恥が感じられなくなっているからだろう。
 常の夏侯惇なら、素直に首を振らず、羞恥に頬を染め顔を隠してしまう。
「……可愛い」
 あられもなく喘ぐ姿が、どうしようもなく愛しくて、曹操は囁き、夏侯惇の首筋を舐めた。




 ぐったりと肢体を投げ出し、先程気絶してしまった夏侯惇の後孔をみて、曹操は舌打ちした。
 思ったより切れているそこから血が出て、着ていた儀式の白い服が赤く染まっている。
 夏侯惇はうっすらと笑みを浮かべているが、顔色が悪い。
「無茶して、これでは熱が出るな」
 せめてと思って、中には出さず、夏侯惇の腹に出した白濁のものを拭き取りながら、呟く。
 夏侯惇を綺麗にして、曹操はもってきた夏侯惇の衣服を着せる。
「薬を塗らねばな」
 少しでも早く良くなるようにと、願いをこめて口にし、夏侯惇に口付けた。




 曹操の予想どおり、熱が出た夏侯惇は三日間寝込んだ。
 その三日間、雨が降り続け、人々は喜んだが、曹操は最悪なまでに機嫌が悪く、近寄りがたい雰囲気を出していたと、後に文官らは語った。
 それを、夏侯淵等の夏侯惇の性格をよく知る者達が夏侯惇に伝えないように必死になって、文官達一人一人にあたったことを、夏侯惇は知らない。
 ちなみに、夏侯惇が着た雨乞いの儀式の衣裳は、本当に使われていたものだった。
 鼠に食われたと適当な嘘を吐き新しいものを用意して祭主に帰した。
 夏侯惇の血や性交の跡を残した衣裳はというと、洗いもせずに曹操が大切に保管していることは、誰にも知られていない。



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