Missing

□赤い絆
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なあ空目、お前がいなくなって何度目の冬だろうか。毎日懲りずにここへ来ている俺をお前は見ているだろうか。
空目、会いたい。会いたいよ。だって昔は毎日のように会ってたんだぜ?淋しいだろ、普通に。
お前は淋しくなんかないか。でも俺は淋しいよ。会いたい。お前に会いたい空目。
だから懲りずに毎日ここへ来るよ。お前ここ好きだったもんな。もしかしたら昔と変わらずそこに座って寝てるんじゃないかってバカみたいなこと考えてる。

今日は来るのが遅くなったな。最近不安で仕方ないんだ。ここに毎日来たって一生お前には会えない気がして不安になる。
俺がお前にこんなに依存してたなんてな。会いたくて仕方ない。今でも身体が覚えてるんだ。お前のなびく髪、細い指、触った全ての感覚を覚えてる。
触れたいよ。会って触れたい。欲が増していくばかりだ。
どうしよう空目。どうすればお前に会えるだろうか。

解決のない悩みに思考を巡らせていると、一通の手紙が落ちてきた。


お元気ですか?
俺は元気でやっています。
元々一人だったから寂しくはありません。

生きているのか、死んでいるか、自分ではいまいち感覚がありませんが、こちらの世界ではお腹は空かないみたいです。
だからお前がいなくても何とかやっていけてます。
朝も起こしてもらわなくても平気です。
何故なら起きる必要がないからです。
寝る必要もないみたいですが、俺はここのベンチが好きなのでたまに休んでは目を覚ますたびあやめが困った様子でこちらを見ています。

なんだよそれ。相変わらずだな空目は。でも元気でいてくれているなら何よりだよな。
困ってるあやめの様子がありありと想像できて少し笑えてしまう。
あんま迷惑かけんなよ。って言っても無駄か。できることなら俺が起こしてあげたいけど、また鬱陶しそうな顔でこっち見るんだよな。遅刻してもしらねえぞ。ああ、そうか。もう遅刻したって誰もわからないか。



追伸


寒さは感じませんが、雪を見るとお前の入れたコーヒーが恋しくなったので、そろそろ戻ろうかと思います。



なんだそれ。




「お帰り、空目」

「ただいま」





きっとまた会えると信じていた。

ほどこうとすればするほど、深くからまってほどけない。

赤い絆
(俺達の絆は糸のようだ)

end
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読みにくくてスミマセン。
一度こんなの書いてみたかった!元ネタはラストフレンズ。

2009.1217 リリコ


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