ss
□妄想。
1ページ/1ページ
7月、夏休みも目の前。
蝉の鳴き声が目立ち始めたこの頃のいつもの昼休み。
部活仲間でやっている交換ノートが渡された。
「ほい!次は村神な!」
「武巳か・・・」
他のメンバーはまだ誰も来ておらず、部室には武巳と俺だけになる。
そこで突然武巳いわく「男の会」が始まった。
「なぁ、そーいやスク水で気になったんだけどさぁ」
「は?スク水?…スクール水着か?」
「陛下ってかなずち?」
聞けよ、
「空目?」
「そう!陛下が泳いでるなんて想像出来ないんだけど!」
てゆーかスク水って何だ。
「さぁ、どうだろうな。小学も中学もアイツ塩素アレルギーだって言って1回もプールに入った事ねぇからな」
「塩素あれるぎ?」
「アレルギー。プールに入ってる薬品の事だよ。本当かどうかは知らないがな」
「じゃあ1回も水泳した事ないんだ?」
「たぶんな。風呂以上の水につかった事ないんじゃねーの?」
「そっか!!」
だからそれが何なんだ。
「溺れた陛下って可愛いかな」
「は?」
「プールでさ!わざと陛下にぶつかって、落としちゃって!陛下は泳げないし、体力ないし、俺に助けを求めるわけよ!
そこに、何の躊躇もなく洋服のままドボーンって!陛下を助けに飛び込む俺!安心した陛下は俺にすがり付く!そこに「もう大丈夫だよ」ってかっこよく陛下を抱えてプールサイドに上がるんだ。
そして二人ともビショビショに濡れちゃって、ちょっとキマヅイ空気が流れた瞬間、濡れた瞳で陛下は俺に「ありがとう…」って言う!なぁ、これよくね!?」
「は?」
「その後、濡れた陛下をタオルで拭いてあげたり冷えた身体を暖めてあげたり…」
「武巳…正直引くわ」
そして授業を終えた木戸野達が部室にやってきて「男の会」は強制終了。
おい空目、お前武巳の妄想の中でとんでもない事になってんぞ。
(今度あいつに水泳教えてやるか)
end
---------------
交換日記ネタでした。
俊也が「プール付近には気をつけろ」と書いた訳にはこんな理由があったからです。
武巳が変態で申し訳ない;;
まあ、あれです、武巳は空目にカッコいい所を見せたいんですよ!
たまにはこんなくだらないMissingもいいかな、と。
むしろ暑さにやられてるのは武巳じゃなくアタシですね!
2008.7 リリコ