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□猫と少女
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「みゃぁ」


か細い声に誘われて来てみれば、段ボールに子猫が入っていた。
生まれて間もないのか、恭介の片手にすっぽり収まるほどに小さい。


段ボールの中には薄汚れたタオルに“拾って下さい”と書かれた紙切れ。
全く、なんてベタな捨て猫なんだろう。
恭介は呆れて言葉を失った。


子猫は我関せずに小首を愛らしく傾げ、そんな恭介をじっと見つめていた。
そっと手を伸ばす。
たちまち子猫の瞳がきらきらと輝き始めた。
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