恋愛方程式
□2Story
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そして時は少し流れて、放課後。
軽音部では、ある騒ぎが起きていた。
「えぇ!?防音室が使えない!?」
声の主は宏人。
「吹奏楽ならともかく、軽音部はうるさいって言われるジャン!」
軽音部員が騒いでいる原因とは、軽音部が普段使っている防音室が使用禁止になったからだ。
「…じゃあ、吹奏楽部に借りよっか!」
そう言い残すと、宏人は第一音楽室へと走って行ってしまった。
「すみませ〜ん。軽音部なんですけど、吹奏楽が普段使っている防音室を貸してもらえませんか?」
宏人が音楽室に入り、近くにいた部員に聞いてみた。
「…別に良いんじゃねぇ?今日はすぐに合奏するから使わないし。良いよな?優祈奈」
宏人が話し掛けた人物とは雷雅だった。
雷雅は、少し意識がはっきりした様で、ハキハキと喋っている。
「…別に良いでしょ。最近はあんまり使わないし」
雷雅が話し掛けた優祈奈が口を開いた。
「ッ!」
宏人は驚いていた。優祈奈の漆黒の髪、同じ色の瞳。色白で華奢な体。
「……?」
冷たい視線なのに、不思議そうに首をかしげる姿は可愛くて、宏人は優祈奈に見惚れていた。
「君の髪、綺麗だね」
それは宏人が素直に思ったことだった。
それを聞いた優祈奈は、少しだけ驚いたように目を見開いた。
「貴方で…2人目」
「へ?」
「いや、何でも無いわ。防音室は勝手に使って良いから。鍵は職員室で借りて」
「あ、うん。ありがと!」
「…雷雅、もうそろそろロングトーンが始まる。行こう」
「あ?あぁ…。」
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