星と雷と月光と

□第二話 魔法との遭遇
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 「………学校………かったるいな」
台所で自身の髪と正反対な真っ白のエプロンを着けてぼやく少年がいた。
 (The aspect doesn't change.)
やはりと言うかなんというか、少年の胸からは流暢な英語が流れてくる。
 「うるさい」
弁当の準備が終わると少年は弓道着に着替えて母家の近くにある弓道場へと向かった。
一方高町家では夫婦が新婚っぷりを発揮して、兄と姉がイチャイチャ(?)してなのはが自分の立ち位置を再確認したところだった。
そんな中隣の三波月家からパァーンと思いっきり張り手を食らったような音が聞こえた。
 「な、なんだ今の音!?」
と、高町家長男の恭也さんが箸を止めて立ち上がった。
 「私、見てくるね」
なのはは慌てて玄関へ行きそのまま三波月邸に入ったが、そこには普段と変わらない風景があった。
しかし高い音は変わらずに鳴り響いている。
 「あっちの道場かな?」
そんななか、弓道着と袴を穿いた漸が弓を左手に携えて歩いてきた。
 「漸くん!今鳴ってた音はいったいなに!?」
朝から血相かいて大きな声を出すなのはに今更気が付いて、おおっと声を上げた。
 「いったいなにと言われれば見たとおり弓を練習してただけだが?」
さも問題あるか的な発言から事件や事故じゃなかった事を知り、なのははその場に座り伏した。
 「び…びっくりした〜………」
 「どうしたんだなのは、そんな脱力して」
その後、色々と話が絡まりあって喧嘩になりかけたがそこはそれ、適当になだめて家に帰し、ゆっくり朝食を食べて、バスに乗ったらアリサが突っ掛かってきたから軽くスルーした。
 「なんでアンタは私をぞんざいに扱うのよ!!」
脈絡も無くアリサは叫んだ、いや厳密には漸がアリサの提案である、週末のデートの件をかなり流していたから激怒しているのだろう。
 「ぞんざいに扱ってるわけじゃないかもよ、よく言うじゃない。好きな子には悪戯したくなるって」
憶測だけでしゃべるなよ、と漸の瞳が物語っているがなのはも加わり漸がアリサの事を想っているみたいな空気になっていった。
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