星と雷と月光と

□第三話 少女は出逢う
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その後、三人は塾へ向かいあのフェレットモドキの飼い主を議論していた。

動物病院から戻った漸は一度シャワーを浴びて汗を流し今度は躰道の上衣と下衣をまとって道場へ歩いて行った。
そこで待っていたのは長い金髪を首の後ろで括った少女、漸が所持しているデバイスの一つで霹靂の書と言われる魔導書。そのものである。
漸の師匠が設定したので普段は優しく修業時には鬼のように厳しい、なので一時間後には………
 「あ…ありがとう……ござ…い……まし………た」
言うが早いか漸は倒れ伏した。
その後七時まで眠りこけていた。

 「漸、こんなところで寝てると風邪引くわよ」
仰向けになって寝ていた漸の願前に霹靂の書こと神鳴(カンナ)が見下ろしていた、見下してではなく、見下ろしていた。
 「神鳴、今何時だ?」
 「七時過ぎよ、ご飯食べれる?」
漸は正直食べたくなかった、なぜなら回転したり叩き潰されすぎてなにか入れた瞬間リバースすること間違いないからだ。
 「なにもいらない」
 「吐いちゃう?」
 「間違いなく吐いちゃうな」
わかったわ、そう言いながら漸をおぶって部屋に行き、布団の上に漸を寝かせた。この時点で漸の三半規管は回復し始めているが漸の体力が戻らない以上、動くことは不可能だ。

高町家でフェレットを飼ってもいいと結論が出た所でなのはは食事を終え、ありさとすずかにメールでそのことを伝えた。
そのままベッドに突っ伏したとき、その声は響いた。
 『聞こえますか、僕の声が』
 (この声、昼間と昨日の夢で………)
 『聞こえたら、助けてください!!』

全く同じ時に漸も念話を受けていた、そうめんを茹でている最中に。

すかさず私服に着替えた二人は家を出てすぐに合流して動物病院へ向かった。
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