墨染祭

□生徒会長の漕逢(そうおう)
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さて、前回のおさらいは………
面倒なので省かせてもらおう。
 「会長くん、人の話聞いてる?」
俺はまわりの音声をシャットアウトしつつずかずかと歩いている。何度かトラックにひかれそうになったが問題ない。
 彩火、その師匠の名前はなんだ?
 「こっちの話は聞かないのに自分の質問には答えろって変な話」
 頼むから答えてくれ、自分を抑えるので精一杯なんだ
言いながら俺は胸のネックレス(四本全部)を握りながら答えを待った。あの名前だけは聞きたくなかったが、こういった状況で願ったことはたいてい叶わないけどな。
 「土宮咲月だけど?」
 地図を書いてくれないか、早く逢いたいんだ
 「じゃあ走ろうか、私の速度についてこられるんなら十分で行けるよ」
だったら最初から跳ばしてくれよ、大体女の子の速度についていけないとどうかと思うぞ。
とそんなこんなで彩火の恐るべきスピードは確かにあの師匠に師事されていると感じる。
あの人間のクズが弟子に真っ先に教えることはスピード強化だ。その後に基本的な能力UPに移る………考えるだけでイライラしてきた、アァ殺シタイ、切ッテ斬ッテ、刻ンデ潰シテ跡形モナク殺シ尽クシタイ。
 「会長くん、手を痛めるよ」
言われて初めて気付いた、俺の手は握りすぎて爪が食い込み血に塗れていた。
 「会長くん、私は君と出会って一日も経ってないから優しい言葉は言わないけどね、これから一緒に闘うかもしれない人だから言わせてもらうよ。………自分を大切にして、私の師匠とどんな因縁が在るか知らないけれど………死なないで」
あぁ、頼む、頼むからそんな慈しむような瞳で愛しい人に向ける言葉を投げ掛けないでくれ。
俺は貴方にそんなことを言われるほど普通な人間じゃないんだから

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