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チシャ猫に誘拐…もとい案内されアリスは森の中を歩いていたました。
鬱蒼とした森に目印はなく、心なしか木々達が動いているように見えます。
先導するチシャ猫を見失ったら100%迷ってしまうでしょう。アリスははぐれない様注意しながら進みます。
しばらく進むとだいぶ先の方に白ウサギを発見することが出来きました。

「あ、白ウサギ」
「本当ですね!行きましょうチシャ猫さ…」


 パンッ

「あう"っ」

アリスの視界で白ウサギがぱたっと倒れました。
彼は草むらに倒れたままぴくりとも動きません。

「……きゃ――――!!?」
「仕留めた」
「な、ななななな何をやっているのですかぁ―――!!」
「何って麻酔銃

チシャ猫は白ウサギを仕留めた。
遠距離攻撃上等。
彼女の愛銃はワルサーP60。

「捕獲捕獲…じゅる、おいしそう」
「いやあああ――っ!!」





こうして、アリスは倒れた白ウサギを助けるため薬草を探し森のさらに奥深くに入っていきました。

「うう、…早く戻らないと白ウサギが色々な意味でチシャ猫さんに食べられてしまいます!」

あんなことやそんなことや!?
アリスは己の想像に頭を抱えてしゃがみ込みます。
手負いの白ウサギをアリスはチシャ猫に任せてきました。白ウサギの身が激しく心配なアリスですが他に頼める相手もいません。
とにかく薬草を…

「おっと、ここから先は通さないぜ」

突然アリスの前に立ち塞がる影が現れました。

「な、なに!?」
「オレ様はディーだ」
「ボクはダムだよー」

同じ服を着た男の子二人がアリスの行く手を遮ります。しかし、驚いたのは最初だけでアリスははっとしてこれ幸いと相手に詰め寄りました。
ここの住民なら薬草のありかを知っているかもしれません。
それが怪しさ満点のどピンクのつなぎ少年達であろうともはやアリスはかまわないようです。

「わたしはアリスよ。ちょうどよかったあなた達薬草を知らない?」
「薬草?知ってる知ってる!あのねー、むがっ」
「ああー?誰が教えるかよバーカ!」
「な!?」
「タダじゃ嫌だね!」

あろうことかディーと名乗った方が金銭を要求してきました。彼もやはり根っからの極道だったようです。
当然アリスはお金など持っていません。がま口の財布の中身を確認しますがそこは雀の涙…

(ああっ、先日新品のかき氷の器を買ったばっかりに〜…)

「うう」
「ケッ、話にならねーぜ」
「そ、そこをなんとか!早く戻らないと若…違った。白ウサギがピンクのどら猫においしくペロッと頂かれてしまってるかもしれないんですよ!?」

アリスも必死に食い下がります。
彼女の頭の中ではいたいけな白ウサギをあぶり焼きにしようとするチシャ猫が浮かんでいることでしょう。
そこで目の前の二人は何故か微妙な顔をしました。

「…ピンクの…」
「…どら猫」

二人はヒソヒソと顔を付き合わせて相談し始めました。

「こほん…おい、お前!そのピンクのどら猫の居場所を教えたら薬草が生えてる場所を教えてやる」
「え!?」
「ボク達ずっと探してるんだよー」
「あのピンク猫、ちょろちょろ動き回りやがって!」

ピンクなのはアナタも一緒なのですが。
この際背に腹は変えられません。アリスは正直にチシャ猫の場所を教えることにしました。

「チシャ猫さんなら向こうに…」
「よし、行くぞ馬頭、いやダム!」
「はいさー♪」

ディーはダムを引き連れアリスが来た道を戻って行きます。

「あ、ちょっと!薬草の場所教えなさいよ…!」
「チッ…この方向にまっすぐ行けばでかいキノコがある。その近くに生えてるやつが薬草だ!」
「じゃあねー、アリス」

二人はバタバタと去っていきました。
取り残されたアリスは気を取り直し教えてもらった方向に走り出します。

「わたしもこうしてはいられません!一刻も早く薬草を見つけて戻らなくては!」

アリスの受難は続く。






おまけ

舞台裏話


牛「こんなもん誰が着るかー!!」
馬「わー、ピンクつなぎなんてはじめて見たー」
椿「早く着なさい」
牛「ふざけんな誰が…」
椿「着ろ
牛・馬「「…………はい」」


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