短い文
□なによりも
1ページ/5ページ
カレンは仕事が終わり仲間たちに挨拶をした後、通勤に使っている車に乗り込む。
(まだ夕方からの時間は肌寒いなぁ。でも…だからこそ車通勤は良いのよね、風当たらないし温まるし。まあ元々この辺はそんな都会でも無いから、交通手段は車が当たり前なんだけどね・・)
カレンはそんなことを考えながら車を走らせる。当然ながらトップスピードである。
カレンが助手席ならば当然注意するだろうスピードを出しているのだが、運転するとなると違うらしい。やはりKMFの中でも破格の性能をもつ紅蓮聖天八極式をも乗りこなす…彼女の本能なのだろうか?とルルーシュはカレンの運転する車に乗るとき思っていたりする。
ただ、運転しているカレンの横顔はすごく楽しそうだから、スピードの事をなかなか言えないでいるのだが。
運転すること30分。カレンはいつもどうり車庫に停めて降りる。そしてすぐに気付く。
「あれっ…いい匂い…パン、焼いたのかな?…ああ…お腹空いた〜」
仕事が終わってから口にするのは飴玉ぐらいで、他はなるべく食べないで帰るようにしている。
理由はもちろんルルーシュが作る料理だ。ルルーシュの料理は本当に美味しい。
すごく幸せな気持ちになるのよねぇ…といつもカレンは思う。そして、それを他の物を食べて少なからず薄れさせてしまうことはしたくないとも思う。
だからカレンは空腹を我慢できるのだろう。