短い文

□なによりも
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「ただいま〜!ルルーシュ…んん…」

「ん…おかえり、カレン」


今じゃ当たり前になったおかえりのキスをする。
当初カレンは恥ずかしがっていた。しかし文化的な違いなのか意外にもルルーシュは平気なようで、隙をつきキスをするうちにカレンも慣れてきたようだ。

寝室で普段着に着替えた後、ダイニングでカレンは家に着いたときに気付いた美味しそうな匂いの元を発見する。


「あっ、やっぱりパンね!…オレンジジャムつけて食べるの好きなのよね〜」


しかしその発言はルルーシュにすぐさま却下される。


「いや…ジャムはつけないほうが良いと思うが…」

「えっ?なんでよ?ルルーシュだって知ってるでしょ、私がオレンジのジャム好きなの」


そんな言葉を聞きながら「ああ…そうか」と納得したルルーシュはこう付け足した。


「カレン、これは "あんパン" なんだ」

「…へ?あ、あんパン?…なんで急にあんパンを?」


たしかにルルーシュは所謂お菓子パンは作っていなかった。
ルルーシュ本人も、小さい頃ナナリーに作ったとき以来だなと思い出す。



「たしかに…そうだな。…あんパン…あずきは嫌いか?」

「ううん、好き。でもなんであんパンなの?」

「ああ、ちょっとパンのレシピを見てたら、ちょうど今日が "あんパンの日" と書かれていてな、たまには良いだろ?」


へぇ〜そんなんだ、とカレンは頷くがふと思い、疑問を口にする。


「でも…パンのレシピだなんて…ルルーシュはフランスパンとかベーグルとか…すでに色々作れるじゃない?ついにお菓子パンもレパートリーに入れるのね?」

「…まあな…」


そうルルーシュは一旦言葉をきった後、カレンに言う。


「カレンは…ランチのあと何も食べていないだろ?」

「え?あははっ…バレてた?お腹鳴ってたかしら?」


そう赤面するカレン。だから…とルルーシュは続けて言う。


「午後の休憩かなんかで良いから、俺が作ったパンを食べないかなと思ってな…どうかな?」

「え?…なんだ、そういうことなんだ…ありがとね、ルルーシュ。…でも…要らないわ」

ルルーシュはまさかカレンに要らないと言われると思っていなかったので、なんでだ?という顔をする。
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