君色依存症候群
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青い空 広い海
トラファルガー・ロー率いるハートの海賊団は新世界へ入るべくシャボンディ諸島を目指し今日も旅を続けている。
波もなく、穏やかな時間を過ごしていたハートの海賊団。
天気も良く甲板で釣りを楽しんでいたベポとシャチの二人。
「・・・釣れないね。」
「・・・全くだ。」
穏やかすぎる時間。
海もまた穏やかな時間を過ごしているようで、数時間同じ体制で待っているも一向に釣れる気配がない。
段々と飽きてきたのか、シャチは欠伸をしながら身体を伸ばす。
そんなシャチを横にベポはふと、遠くの海域に眼を向けた。
「シャチ!!あれ、なんだろう・・・?」
「んぁ?・・・ありゃ…海賊船?・・・いや、幽霊船か?」
そんな話をしていたらふと、上の見張り番から声がした。
「前方10時の方向に船を発見!!」
その声に船室からペンギンとこの船の船長であるトラファルガー・ローが姿を現す。
「海賊船か?」
「!!キャプテン!!」
「海賊船…にしては小さすぎますね。商船でしょうか・・・調べますか?」
「・・・いや、敵船じゃなければ問題はないだろ。それより進路はどうなってる?」
「このままいけば一週間もすれば島につきます。そこでログを溜めてその次の島がシャボンディ諸島です。」
「そうか。何事もなくこのまま進めばいいが「キャプテン!!大変だよ!!」・・・どうしたベポ」
「あの船・・・!!人がいる!!」
いつの間にか双眼鏡を手に船の中を見ているベポ。
「人・・・海賊か・・・?」
「よく見えないけど…あの船・・・壊れて…――−!!誰か倒れてる!!助けなきゃ!!」
そう、慌てふためくベポに短く「貸せ。」と一言言うとローが双眼鏡で見た先には――・・・
「――――−!!!あれは・・・!?」
「どうしたの?キャプテン」
「おい!!すぐにあの船につけろ!!急げ!!ペンギン!!手術室の準備だけしていろ!ベポ!シャチ!あの船に下りる。手伝え」
ローの声に船員が慌てふためき船を近づけ下りる準備をする。
その間も、ローは今にも崩れてしまいそうな船をずっと見続けている。
(あの髪の色・・・まさか・・・だがもしも、“あいつ”だったら――…無事でいてくれ――ーっ!!)
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