Last song


□Title-01
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明かりは灯しておらず真っ暗な部屋の中。
その部屋の端にベットがポツンと置いてありそこに眠る女性――…

何年、何十年と眠りにつく彼女の名は“咲乃”
第0使徒 「哀愁」のメモリーを持ったノア――。

悲しみに満ちた彼女の心は35年前から何一つ変わっておらず、今もまだそれは続いている。

そんな彼女の目覚めを待つ家族たち。


そんな彼女の部屋の扉を静かに開ける家族たち。
ゆっくり、ゆっくりと近づくが眉一つピクリとも動かさず眠ったままの彼女。
千年公を筆頭に彼女の目覚めを待ち続けていた。



「なぁ、コイツほんとに生きてんの?」


「ヒヒッ、生きてんの?」


「黙りなよ〜咲乃はノアの中でも優しすぎるんだよ、目覚めないのもきっと…」


「咲乃は必ず目覚めまスv」


「・・・・・」


次々に己の思った言葉を言う家族たち。
その中に一人だけ無言のままずっと彼女の顔を見つめる男がいた。



「どぉしたの?ティッキー。まさか咲乃に惚れちゃったぁ?」


「・・・その呼び方やめてくんねぇかな。別に惚れちゃいねぇし…」


それに…と何か言おうとした時だった。




ピクッ―――…




「「「――――――――!!!」」」




「・・・ん、」





ゆっくりと瞳が開き、辺りを見渡す咲乃。
何年も動かしていなかったせいか、筋肉が低下し身体が硬直しており上手く動かすことが出来ず、喉も乾燥しており声がでない。
そんな彼女を見兼ねてか千年公はゆっくりと彼女をベットに座らせ、すかさずロードが水の入ったコップを渡す。



「・・・・ぁ、・・・っ」




「喉かわいてるでしょ〜?はい、水。…コップ持てるー?」




震える手で何とか受取り、それを飲み干すと息を吐きロードを見て微笑む。



「・・・ありがとう、ロード。」



「――――!どぉいたしましてぇ。やっと咲乃と話すことができた」



そう言い、咲乃に抱きつくロード。
咲乃も抵抗せずに優しく抱きしめ返す。
そして、他の家族を見渡し千年公を見る。



「・・・千年公、わたし―――…」



「おはようございまスv目覚めてくれて嬉しいですヨ咲乃」



今日は晩餐会でスvvと言いながら上機嫌に咲乃の部屋を後にする。
そんな千年公の後姿を見て咲乃も立ち上がろうとした瞬間――…



グラッ――



「・・・っ、」



足に力が入らず倒れてしまい、次にくる痛みにギュッと目を瞑れど来るはずの痛みでは来ず、変わりに誰かに優しく受け止められていた。



「大丈夫?」



「・・・えぇ、ありがと・・・・っ!」



上から声がし、受け止めてくれた人の顔を見て一瞬、固まった。



「ど・・・して、なんで・・・っ」



「―――――――?」



今にも泣き出してしまいそうな咲乃。
そして、受け止めた張本人ティキ・ミックはどうしていいかわからず困惑している。

そんな二人にすかさずロードが咲乃の腰に抱きつく。



「落ち着いて、咲乃。この人は“彼”じゃない、「快楽」のメモリーをもつティキ・ミック。“彼”とは別人だよぉ。」



「・・・・ティ、キ・・?」



ロードの言葉に落ち着きを取り戻しもう一度、ティキの顔を見る。


…違う、この人は“彼”じゃない。
似てるけど、違う人なんだ



「・・・落ち着いた?」



「・・・ぁ、ごめんなさい――・・・、」



その言葉にティキは微笑むと優しく咲乃を抱き上げる。



「・・・っ、」



「まだ上手く足動かせないんだろ?」




「ありがとう…ティキ」






「―――――!O senhor é bem-vindo、Princesa」










To be continued...
 

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