私は道化師貴方は詐欺師


□祓魔塾に行ってきました
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「では、私は奥村君を祓魔塾に案内してきますので大人しく此処で待っていてください。」



「――…行ってらっしゃいませ。」



メフィストさんの言葉に私は頷き奥村君を迎えに行く彼の後姿を見送った。

本当は一緒に行きたかったけど、きっと駄目だって言われるだろうし、何れ会うだろうことは彼も言っていた…ような気がする。

何時だっただろうか、メフィストさんの目を盗んでこっそりと修道院に遊びに行っていたときの頃――。

当時、双子の兄弟は幼くて私のことなんて覚えてないだろう。
弟の…雪男ちゃんとは此処でも何回か顔を合わせているから知っているけど…


(兄の方はどんな風に成長してるんだろう…)


まだやんちゃな坊やなのかな。
それとも雪男ちゃんに似て身長が高くて落ち着きのある子に成長しているのかな。


そんなことを考えていると居てもたってもいられなくなる。


(ちょっとだけ…こっそりと覗くくらいなら――・・・大丈夫、よね?)


メフィストさんも今頃は仕事をしてると思うし、
きっと祓魔塾への道などを教えているだけだろう。と勝手に思い込みせっせと出かける準備をした。


浴衣から桜柄の薄い桃色の着物を着て、髪を整え簪をさす。
着物の色に合わせ桜色の紅を塗りうっすらと化粧をして準備が整った。
















*   *    *




祓魔塾の廊下を歩いていると、授業中のはずなのだが何故か前方から一団体がぞろぞろと歩いてきている。

目を凝らして見ると見慣れない生徒たち。
じーっと見ているとふいにピンク色の髪をした男の子と目が合った。




「――−?なんやえらい別嬪さんやわ!もしかして祓魔塾の先生なんですか?僕、志摩 廉造言いますねん。」



「えっと、初めまして―‐。わt「もしかして咲乃…さん…?」え…?」



志摩くんの言葉に戸惑いながらも答えようとしたらそれは別の人によって遮られた。
声のした方を振り向くと



「――…もしかして雪男…ちゃん…?」



以前会ったときよりも身長が伸びており一段と大人びている雪男ちゃんがいた。


私の言葉に他の人は呆然とするも私は雪男ちゃんの成長ぶりに思わず歓喜の声を出した。



「本当に雪男ちゃん!?――また身長が伸びて大人っぽくなったわね。」


「お久しぶりです咲乃さん、それからその…ちゃん付で呼ぶのは止めて下さい。」


顔を赤くしながら言う雪男ちゃ…雪男くんに私は苦笑しながら“つい、昔のくせで…”と言えば雪男くんもまた苦笑しながら“懐かしかったですから”と言ってくれた。


「それより咲乃さん、何か用事でも…?」


「えっと…用事っていう訳でもないの…」


言葉を濁しながら言う私に眉を顰めながら雪男くんは言った。


「フェレス卿はこのことはご存じで?」


「ぅ…、ぁ…その――、」


視線を下げて首を横に振ると雪男くんは軽く息を吐くと視線を斜めに移す。
そちらに何かあるのだろうかと思い私も視線をそちらに移すと…



「…ど、して・・・」



男の肩にカッと目を見開いている犬の姿をしたメフィストさんがいた。












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