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□お仕事
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◇ カリス ◇
9月はあっという間に過ぎた。
あれからハーマイオニーは『S・P・E・W』の事を言わなくなったし、リーマスの授業にムーディー先生が乗り込んで来ることもなかった。
もちろん“禁じられた呪文”の事を誰も口にしなかった。
リーマスが言った事をみんなが理解したんだと思う。
ましろへの報告も、一応お終いって事になった。
でも最後の日、ましろにまた来てねって言われて、嬉しかった。
満月の日も無事乗り切れたので(夜は内緒のドアでましろが部屋にきてくれた)ホグワーツでの生活に自信もついた。
10月に入ると宿題の量が増えた。
マクゴナガル先生の『変身術』の時、クラス中からうめき声が上がる。
もちろん、私もその一人。
「みなさんは今、魔法教育の中で最も大切な段階の一つに来ています!」
マクゴナガル先生はメガネの奥から目を光らせ、『OWL』試験が近づいている、と言った。
まだ1年以上も先の話じゃない?
「『OWL』を受けるのは、5年生になってからです!」
あ、ディーンも同じ事思ったんだ。
「そうかもしれません、トーマス。しかし、いいですか?みなさんは十二分に準備をしないといけません!」
そしてハリネズミをまともな針山に変える事が出来たのはハーマイオニーだけだって、話した。
確かに。
私のは見た目はいいのに、固すぎて針が刺さらなかったもんね。
ハーマイオニーは、本当に頭がいい。
いろんな事をたくさん知ってるし、優しいし、可愛いし、こんな子だったら誰でも好きになること間違いナシって感じ。
自分とハーマイオニーを比べるなんて馬鹿げてるとは思うけど、隣りにいるからつい考えてしまう。
「カリス、どうしたの?何かわからないところがあった?」
ぁ、談話室で『魔法史』の宿題をしていたんだった。
「ううん、何でもない。ちょっと別の……掲示板の事考えてた」
今日玄関ホールに掲示板があって『三大魔法学校対抗試合』のお知らせが貼ってあった。
一週間後に伝説のイベントが始まるなんて楽しみだし、『魔法薬学』の授業が早く終わるので、みんな喜んでいた。
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