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□勉強
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◇ カリス ◇


翌朝、土曜日。


いつもなら遅い朝食をとるんだけど、今朝は違う。


むしろ、いつもより早起きして、ハーマイオニー達と談話室を出た。


玄関ホールには20人程の生徒がいて、ゴブレットを囲み、眺めてる。



「もう誰か名前入れた?」



ロンがその辺にいた女の子に訊く。



「ダームストラングが全員。ホグワーツからは見てないわ」



誰が入れたのか気になるけど、私は早く朝食を食べなくちゃいけない。


先に行くとみんなに断って廊下を進み、大広間のドアに手を掛けた。


後ろで大爆笑が起こった。


慌てて振り返ると、ロンのお兄ちゃん達に真っ白い髭が生えていた!!


ダンブルドア校長先生みたいな長い髭は、きっと『年齢線』を越えた所為だ!


赤い髪とのアンバランスも可笑しくて、笑いながら、大広間に入った。


大広間の飾り付けがハロウィン仕様に変わっていた。



「ぅわぁ………すごい!!」



生きたコウモリが飛び回り、かぼちゃのジャックがにたにた笑ってる。


初めて見るホグワーツの盛大なハロウィン飾りに目を奪われる。



「おはよう、カリス。そんな所で立っていないで、中に入ったらどうだい?」



後ろから声を掛けられ、振り向くとリーマスが立っていた!!



「あ、あのっ、おはようございます。ぼーっとしちゃって、すみません」



慌てて横に一歩動いて、道を開ける。



「いや、そんなに恐縮しなくて大丈夫だよ。珍しいね、一人なのかい?」



リーマスに促され、グリフィンドールのテーブルに行く。


心構えが出来てないのに、ちゃんと話せるかな?


がんばれ、私!!



「きょ、今日はこの後、ましろと約束があって、それで、その、急いで食べるんですっ」



リーマスがくすくす笑ってる。


顔が赤くなるのがわかる。


恥ずかしい!!



「ましろのご飯時間かかるから、そんなに早く食べなくても大丈夫だよ。そうだ!カリス、通訳の仕事がんばってね」



お祝いが遅くなったね、と、リーマスはチョコをくれた。



「ありがとうございます、リーマス」



なんとかお礼を言って、テーブルの所で別れた。


ディーンとシェーマスの隣りが空いていたので、そこに座らせてもらう。



「おはよう、ディーン、シェーマス」


「おはよう、カリス。一人だなんて、珍しいね?」


「おはよう、ねぇ、誰が立候補したか知ってるかい?」



二人とも、興味深々だね。



「ハーマイオニーたちは後で来るよ。玄関ホールでロンのお兄ちゃん達が髭を生やしてるのを見て、爆笑してた」



トーストを口に運びながらさっきの事を教えてあげると、二人とも見たかった〜、と残念そうな声を上げた。


それからまた、どの寮の誰がいいかって、話を始めた。



「カリスはあんまり興味なさそうだね?」


「そんなことないけど、まだ入ったばかりだから、どんな人が良いか、わかんないの」



シェーマスの問いに手を振って、理由を話す。



「そっか。そうだよな。カリスは知らないだけなんだ。よし、僕達が教えてあげるよ!」



二人とも、やけに意気込んで私に教えようとする。



「ちょ、今日はダメなの。ましろと約束があって………今度教えて?」


「ならしょうがないな。あ、ハリー達が来た!おはよう!フレッドたちの事、詳しく話して!」



みんなが話しているのを聞きながら、食事を終え、席を立つ。



「今日は一日、ましろの用事を手伝わなくちゃいけないの。夕食の時に会おうね」



またね、とみんな手を振ってくれた。





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