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□クリスマスパーティー(1)
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◇ カリス ◇
いよいよクリスマス休暇に入った。
ハリーはチョウ・チャンに振られ、ロンは何故かフラーに申し込んで玉砕していた。
なのに、パーバティーとパドマのパチル姉妹を誘って上手くいって、びっくり。
パートナーってそんなにころころ変えていいものなの?
まぁ、私は一人で参加確定。
何で誰も誘ってこないんだろう?
やっぱり“普通”だからかな。
《カリス、どうかした?》
《ううん、ライアンはパートナー誘えた?》
未だにフランス語を習いに来てるのは、ライアンだけ。
みんなパートナー決まってきてるのに、流石にやばくないですか?
《………そのことなんだけどさ、カリスに頼みがあるんだ》
なんだろう?
フランス語、かなり上手くなってる。
この期に及んで一緒に行ってくれなんて言われても困るなぁ。
でも、ライアン、切羽詰った感じ。
《………内容による》
一応聞いてみよう。
《あのさ、クリスマスパーティーに俺と行ってくれないか?》
「はぁ??なに言ってるの?」
あまりの事に大きな声が出た。
《カリス、みんな見てるから座って!フランス語で話して!》
あまりの事に立ち上がってもいたらしい。
まわりの子に何でもない、と笑って椅子に座る。
《どういう事?ボーバトンの子に振られたの?》
ライアンは首を振った。
《最初からカリスを誘いたかったんだ。ただ、きっかけが掴めなくて………》
で、フランス語を習おうと思ったわけ?
黙ってる私の代わりに、ライアンが話す。
《他の奴らは乗っかってくるし、カリスは真剣に教えてくれるからますます言い出せなくなって………》
最後の方は声も小さくなって、俯いて、これで断ったらライアンも一人で参加になっちゃうのかな?
ん?最初から誘いたかったって言った?
《ライアン、私でいいの?》
ライアンが顔を上げた。
《もちろん!君がいいんだ。俺のパートナーになってくれないか?》
《いいわ。私、一人で行かなくちゃならなくなる所だったから、嬉しい》
ライアンが複雑そうな顔をした。
《あ〜それ、俺のせい》
???
《カリスにべったりだったから、多分、そういうことなんだ》
………誘われなかったのは、ライアンの所為だったの?
《もしかして、誰か誘って欲しいヤツがいた?》
一瞬、リーマスの顔がよぎった。
《……ううん。ただ、私って、“普通”だから誘われないと思ってた》
ライアンが目を見開いた。
《カリス、君はかわいいよ。オレンジ色の髪もエメラルドグリーンの瞳も、とてもきれいだ。いろんな言葉を話せるし…《もういい。分かった》……俺の方こそ“普通”だよ》
ライアンの言葉で顔が赤くなるのが分かる。
こんなに手放しで褒められた事なんて、今までにない。
《とにかく君はかわいくて………俺のパートナーだ》
よろしく、と差し出された手に促されて、握手した。
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