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□帰宅?
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☆ ましろ ☆
全く、アルテミス!!
あなたは自分の影響力の大きさを分かってない!!
“神”なんて存在は、崇拝される立場にある。
『狩猟の神』である彼女がみんなの前に(力の加減もなしに)現われたら『狩る』又は『狩られる』立場にいる者に何かしらの影響が出る。
ヘルメスはそれを知ってるから限りなく力をセーブして人前に出る。
普段人前に出ないアルテミスは、力の加減を分かってない可能性がある。
いや、分かってても来てしまうくらい、私が心配かけたの?
でも、出来ればこんな大勢の前に出るのは勘弁してほしかった!
スピナーズエンドで三日間、ぼ〜〜っとして過ごした。
暇で、暇で、淋しくて、淋しくて………
だからアルテミスが来てくれた時、はしゃいじゃったのは認める。
久しぶりに誰かとおしゃべりできて、本当に楽しかった。
(リントは忙しそうであんまり相手してもらえない雰囲気)
ちょっとだけ女王様風なアルテミスは、私のおじいさん、アポロンの双子の姉。
すっごく美人で背が高く、冷たい印象の女神様。
彼女が司っているのは『産婦の守護』と『狩猟の守護』。
アルテミスが帰ってしばらくしてヘルメスが慌てて部屋に現れた時は、私も慌てた。
「ましろ、大変なんだ。アルテミスが大広間に現れちゃった。何人か“虜(とりこ)”になりかけてる。今からホグワーツに戻らなきゃ!」
ヘルメスに手を取られ、次の瞬間、大広間の扉の前。
「まだちゃんと“虜”にはなってない。パニックを起こしてるか、一目惚れしてるか、のどっちか。僕は力が強すぎて、手出しできない」
ヘルメスの言葉に頷きながら、大広間の扉を開く。
グリフィンドールの席におじいちゃんとセブを見つける。
「あの子だけパニック起こしてる。落ち着かせれば平気だよ」
ざっと見まわしたヘルメスの言葉に頷く。
近づきながら杖を振り、部屋から鎮静剤の瓶を取り寄せる。
「カリス、大丈夫よ。すぐ良くなるわ」
薬を飲み、ぐったりしたカリスをセブに任せて、大広間を眺める。
「あとは、正気に戻したらいいよ」
正気に戻す………
あれしかないか?
試しにシリウスの前に立つ。
「シリウス・ブラック!しっかりしなさい!!」
平手で思いっきり頬を叩いた。
「ぃっってぇぇぇ!!」
よし、この調子で行ってみよう!
「ヘルメス、ありがとう。何とかなりそう。アルテミスにも……ありがとうって言っといてくれる?」
なんだかんだでホグワーツに戻って来られた。
週末から、またあっちに行くのはしょうがないけどね。
「うん、伝えとく。今度からはましろ達の前にしか出ちゃダメってね」
ヘルメスは私の頬にキスをして、大広間から駈け出して行った。
さて、力いっぱいビンタ出来るなんて経験、そうない。
楽しんでもいいかな?
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