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□契約
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☆ ましろ ☆


さて、どうしようかしら?


良い考えが浮かばないので、アイを抱いて部屋を出る。


中庭に出て木陰のベンチに座る。


ハーマイオニーの相談を聞いて、フレッド&ジョージの今後を思いだした。


………失敗した。


フレッド&ジョージにお金が渡らない………ってことは、彼らの夢が叶わないって事。


これはいかん。


お金をあげる事は簡単だけど、二人が受け取るかどうか………



「ねぇ、アイ。何かいい考え、ない?」



ほっぺをプニプニすると、ぷっとおならが出た。



「アイ〜〜、お尻で返事しないでよぉ」



へらっと笑うとアイも笑う。


かわいいなぁ。


この子が将来困った事にならないように、何か考えないと。


この子名義の金庫作って、そこにお金が入んないとなぁ………


前は“愛里”と“愛瑠”の名義で株を買った。


………株



「アイ、お母さん、とってもいい事考えちゃった!」



一応セブに相談してから二人を呼び出そっかなぁ。








二人を呼び出したのは、6月最初の土曜日。



「「ましろ〜〜何の用??」」



ノックの後、すぐに開けられたドアから二人が入ってくる。



「ちょ、待って!!あと5分!!アイのご飯中なの!!」


「「ごめん!!」」



私はソファで授乳中。


ドアに背中向けてて良かった。


女の子には見られても平気だけど、男の子にはやっぱりムリだ。


どうしても、という子は、是非、自分の奥さんの授乳姿を見て欲しい。


お腹一杯になったらしいアイにゲップさせて、ベッドに寝かせ、身支度を整え、ドアを開ける。



「待たせてごめんなさい。入って」



二人はドアの前でぼうっと立っていた。



「あの、ごめん」


「急に開けて、ごめん」



謝りながら二人が入ってくる。



「うん、ちょっとびっくりしただけだから。時間になってる事に気付かなかった私も悪かったのよ」



ソファを勧め、キッチンに立つ。


二人のご要望で取り寄せていた三本の箒のバタービールをトレイに載せて、二人の所へ戻る。



「さ、どうぞ。今日はお願いがあって、あなた達に来てもらったんだから、ゆっくりしてちょうだい」


「あ〜、うん」


「その〜、なぁ」



二人とも何か言いたそう。



「なに?どうかした?」



二人は顔を見合わせ、一緒に私を見た。



「「アイを見てもいい??」」



何だ、そんな事。



「もちろん、いいわよ。………抱っこしてみる?」



二人とも大きく頷く。


女の子には抱っこしたがる子が多かったけど、男の子はみんなと一緒だと照れくさいのか、手を出したのはほんの数人だった。


将来の為に経験しといたほうがいいのに。


ベッドにいるアイを抱き上げ、まずはフレッドから。



「さぁ、リラックスしてね」


「うわっ!かるっっ!!アイは小さいなぁ」


「それでも標準。これからどんどん大きくなるんだから」


「フレッド、早く代わって!!」


「うるさい、ジョージ。アイがびっくりするだろ?」



う〜〜ん………アイって人気者。






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