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□はじまりの日
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◇ カリス ◇
ディゴリーの優勝で終わった三大魔法学校対抗試合。
その後の授業は全部キャンセルされ、夏休みまでの一週間はダームストラングやボーバトンの人たちと最後の交流会のようなものが行われた。
といっても、クリスマスの時のようなものじゃなくて、彼らを囲んでおしゃべりしたり、食事をしたり。
住所の交換をする子や、夏休み遊ぶ約束をする子もいた。
≪フラー、大人気ね≫
≪う〜〜ん。でもみんな子どもっぽくて、私の相手は出来そうにないのが残念≫
≪もう!フラーってば!≫
中庭で話していると、後ろから声を掛けられた。
「やぁ!カリスじゃないかい?僕だよ、ビル。ビル・ウィーズリー。覚えてないかな?」
振り向くと、ロンと同じ赤毛の男の人。
「覚えてます。久しぶり、ビル。今日はどうしたんですか?」
ビルはこっちに歩いてきた。
「グリンゴッツの金庫の事でましろに呼び出されたんだよ。年明けからロンドンに転勤になってね。彼女は僕の顧客の一人さ」
「そうなんですか。あ、ビル、紹介します。彼女はフラー・デラクール。ボーバトンの生徒さんで、代表選手だったんです」
後ろからフラーに突かれ、慌てて紹介する。
「はじめまぁして。フラー・デラクールでーす」
「はじめまして、ビル・ウィーズリーです。英語、上手だね」
「まーだだめでぇす。もーっと上手になりたーいです」
あれ?いつになくフラーが積極的に話してる。
私の存在が無いかのように二人はベンチに行って話し始めた。
………ましろにビルが遅くなりそうって教えてあげよう。
私は中庭を出て、ましろの部屋を訪ねた。
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