女王様と俺

□事件
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ましろが出産の為にホグワーツを離れて三日。


大広間が一番込む時間帯にスネイプが来た。



「珍しい事もあるもんだ。こんなうるさい時間に”スネイプ”が”一人”で夕食に来るなんてな」


「あれ、『ましろ欠乏症』だね。周りの事なんてどうでも良くなってるんだよ」



確かに。


ぼうっとして食事を始めようとしているスネイプは、何かの病気のようだ。


いつも一緒にいるから居なくなった時の反動がでかいんだろう。



「なぁ。あいつら、いつも一緒にいてケンカとかしないのかな?」


「さぁね。でも、ましろがセブルスに突っかかっていくのはたまに見るよ?」


「で?どうなるんだ?」



夫婦の力関係って奴だ。



「セブルスが折れる事が多いみたいだね」



………カカア天下か。



「シリウスの所もでしょ?」


「俺?俺達はケンカした事ないから分からん。ドーラはどうなんだ?」



隔週末、ムーディーの働きもあって二人はデートしている。



「私は……付き合ってる訳じゃないからね」


「まだそんな事言ってんのか?そんなんだ…何?!」



大広間の扉が大きな音を立てて開き、子どもが駆け込んできた。



「セブルス!逃げて!!僕、報告失敗したみたいなんだ!!」



子どもはスネイプの前に立つと、叫んだ。


スネイプは呆然としている。



「あれ、この前の子だよな?」



代表選手決定のパーティーの時に大広間に入ってきて、ましろの妊娠を暴露した子どもだ。



「そうみたいだね。今日は何の話にきたんだろう?やけに慌てるみたいだ」



大広間中の目を集めていると言うのに、二人はお構いなし、だ。


と、また大きな音と共に扉が開く。


今度は何だ?と入口を見て、口が開いた。


美術館でもないここにあるのが不思議なほど、良く出来た彫刻。


彫刻は大広間を見渡し、進み始めた。


人か。


女。


なんてよく出来た女だろう?


一生のうち一度、お目に掛かれたら御の字だ。
  




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