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□医務室
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「ありがとう、リント。セブにこの事話しといてくれる?」


「かしこまりました。………ましろ様、本当にこれだけでよろしいのですか?」


「うん、今はそんなにお腹減ってないのよ。また食べるかもしんないけどね」



トレイの上には、普通に二人分の食事。


いつもの私なら、一人で食べちゃう量だ。


リントが不審に思うのも無理はないのかも。


ドラコのベッドに運びながら、食欲不振の理由を考える。


多分、魔力が上がってる事とか『呪い』が解けた事に関係してるんだと思うんだよねぇ。


私が成長してる証って事かな?


少しくらい身長が伸びてくれてもいいと思う。



「ドラコ、一緒に食べましょう」



お皿の上のビーフシチューに苦戦しながら、何とか全部食べる。



「ましろ、あれだけでいいのか?どこか具合悪いんじゃないか?」



トレイを片付けてベッド脇に戻ると、横になっていたドラコに訊かれる。


あら、ドラコにまで心配かけちゃった?



「どっこも悪くないんだけど、お肉系、食べたくないのよ。パンとデザートはいつもみたいに食べれるのにね」


「ふ〜ん、じゃぁ、母上にお菓子贈ってもらう。それを食べたらいい」


「あら、ありがとう、ドラコ。でも、気持ちだけもらっとこうかな。おば様にまで心配掛けたくないから、この事は内緒よ」



ドラコが頷く。



「ドラコ、あなたが何故ムーディ先生の罰を受けたのかは知らないけど、今あなたが私に見せてくれた優しさがあれば、それは回避できたはず、ね?」



ドラコの向かいに座って、ドラコの手を握る。



「………何でそんな事言うんだ?理由も知らないのに!」



ドラコが私を見る。


目が、揺らいでいる。


自分のした事が分かってるんだろうな。



「ドラコ、前に私が言った事、覚えてる?手を広げて、宝物を手に入れてって言った事。“宝物”は“友達”。友達は認め合う事から始まるわ」



ドラコは、フンッと鼻を鳴らした。



「僕はたくさんの友達なんか必要としない。いずれそいつらの上に立つ僕が認めるのはましろ、君を入れてもほんの数人だ」


「上に立つつもりなら尚の事よ。お互いを尊重できないと、いずれ孤立してしまうわ。………ドラコ、あなたから“マルフォイ”を外した時、あなたには何が残るのかしら?」



ドアがノックされた。



「誰か来たみたい。ドラコ、またね」



俯いてしまったドラコの手をぽんぽん叩いて、ドアに向いた。






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