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□医務室
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◇ カリス ◇
「ましろ?カリスです」
医務室のドアをノックして中に入ると、ましろがベッドに寝ている誰かと話していた。
「ああ、カリス。もうすぐポピーと交代だから、少し待っててもらえる?」
ましろに示されたソファに座って、ましろが来るのを待つ。
「カリス、さっきはドラコを助けてくれたんですってね、ありがとう」
ココアのカップが載ったトレイを持って、ましろがソファに座った。
「いえ、あのイタチがマルフォイだって気付かなかったんです。それに、“汽車の中で、ドラコに優しくしてもらった”から」
よし、伝言伝えた。
これでマルフォイに付きまとわれなくて済む筈。
ましろはくすくす笑っている。
「ドラコ!カリスに何言わせてるの?!あなたは、カリスに助けてもらったお礼を言ったの?」
ましろはさっきいたベッドの方に話し掛けた。
もしかして、マルフォイがいるの?
カーテンが開いて、ベッドに座っているマルフォイが顔を出した。
「ましろ、僕、何も言わせてないぞ」
「嘘ばっかり。優しくしったっていうのも、多分、クラッブとゴイルに荷物持ちかなんかさせたんでしょう?」
うわぁ!ましろって、すごい!当ってる!!
マルフォイは黙ったまま、俯いている。
「ドラコ、こっちへいらっしゃい。一緒にお茶にしましょう」
ましろはキッチンに立って、またカップを持ってきた。
マルフォイはましろの横に座る。
こんなに素直なんて、マルフォイの別の一面を見ちゃった。
「何で僕が言わせたと思うんだ?」
マルフォイはココアを一口飲んでから、ましろに訊いた。
「カリスが“ドラコ”って呼んだからよ。本当に優しくしてもらったら、カリスはあなたに感謝したでしょうし、私にも、ちゃんと話してくれたはず」
マルフォイが私を睨みつけてる!
「ドラコ!カリスを睨んでどうするの!あなたは自分のやってない事で、他人からの感謝を得ようとしている。ドラコ、ずるはダメよ」
ましろに窘められ、マルフォイはまた下を向いた。
「で?助けてもらったお礼は言ったの?」
うわぁ!容赦なし!
「……………ありがと……………」
うわぁ!マルフォイがありがと、って言った!
ましろはにこにこして、マルフォイの頭を撫でた!
「うん、がんばったね。カリス、本当にありがとう。おかげで酷い怪我せずに済んだわ」
ましろの言葉にブンブン頭を振った。
「ましろ、遅くなってごめんなさいね。交代するわ」
医務室のマダムが戻ってきて、私達のなんともいえないお茶会は終わった。
マルフォイをベッドへ寝かしつけたましろと一緒に、地下のましろの部屋へ移動した。
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