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□禁じられた呪文
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コツコツと音を立てて、ムーディー先生が入ってくる。
「ムーディー先生、何か御用でしょうか?」
リーマスがにこやかに話し掛けても、ムーディー先生はうるさそうにリーマスを見ただけ。
「ルーピン、お前は基本しか教えないつもりか?この教科書では闇の魔術の『や』の字も防げん。本当の闇の魔術を知ってからでなければ防衛術はできんのだ」
「ムーディー先生、そのことは校長先生とお話になったのでは?今は授業中ですので、この後ダンブルドアを交えて話し合いましょう」
リーマスはムーディー先生を何とか教室から出そうとがんばっている。
「ねぇ、シリウスおじさん。ムーディーは何の事を言ってるの?」
ハリーが傍にいたブラック先生に話し掛けている。
シリウスおじさん?
ブラック先生ってハリーのおじさんだったの?
ハーマイオニーに聞くと“名付け親”だって教えてくれた。
へぇ、そうなんだぁ。
「あぁ、ムーディーは“禁じられた呪文”の事をみんなが知っておくべきだと思っている。もちろん、もっと大きくなって……6年生になれば学ぶ事だが、彼はもっと前からやっておくべきだとね」
ブラック先生は肩を竦めてハリーに話していた。
なんとかムーディー先生を追い出したリーマスに、ハリーが手を上げた。
「先生、“禁じられた呪文”って、なんですか?」
リーマスは驚いたようにハリーを見て、すぐにブラック先生に目を移した。
「シリウス!君は………」
はぁっとため息をついて、リーマスは教室中を見渡した。
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