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□お仕事
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☆ ましろ ☆
ココアを飲んで帰ろうとする二人を引き止める。
「ちょっと待って。私からハーマイオニーに話しがあるんだけど。カリスも一緒に」
二人とも座りなおした。
さて、ここは直球勝負でしょ?
「ハーマイオニー、あなたが忙しいってことは重々承知の上で提案なんだけど………あなた、ブルガリア語、勉強する気ない?」
「は?」
ハーマイオニーがびっくりしている。
隣りのカリスも。
ま、そうだよね。
「ダームストラングの通訳を私がやるんだけど、本当は生徒の方が望ましいの。でね、高学年は試験で語学の勉強どころじゃないし、小さい子達には任せられない。私と一緒に勉強してもらえないかしら」
ハーマイオニーはしばらく考え、にっこり笑った。
「分かったわ。もちろん、フォローはしてくれるんでしょ?」
「良かった。とりあえず私と一緒にいてくれればいいの。あなたの事だからフォローなんてしなくても、すぐに話せるようになるはず。カリスも日常会話程度は出来るって聞いてるから力になってくれるわ。ね、カリス」
強引にカリスの了承も取り付けた。
テキストをハーマイオニーの前に差し出す。
「暇な時にでも開いてくれたら嬉しいわ。本当に良かった。これで何とかなりそう」
昨日判明した。
そのうち、私は動けなくなる。
何とか道を作っとかなきゃね。
ハーマイオニーとカリスが不思議そうに見ているのに気付いた。
「さ、それじゃぁ、寮に送るわ。二人ともムリはしないで。辛い時はいつでも相談に乗るから」
カリスへのおまじないは、当日する事を約束して、寮の前で別れた。
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