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□対策
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☆ ましろ ☆
代表選考の翌日、昼食の後でセブと二人、校長室に行く。
既にシリウスとリーマスが来ていて、ソファでお茶してた。
「遅くなってごめんなさい」
三人に謝ってると、にっこり笑って近寄ってきたおじいちゃんに抱きしめられた。
「ましろ、おめでとう。わし、曾じいちゃんじゃの」
「うん、ありがとう。曾おじいちゃんにはもっと長生きしてもらわなくちゃね」
「おぉ、もちろんじゃ。祝福された子を見るまでは、死んだりせんぞ」
………それは大変。
“神”にならないと無理かもよ、おじいちゃん。
「セブルスも、おめでとう。お主なら立派な“父親”になるじゃろう」
「ありがとうございます」
おじいちゃんとセブは握手をして、ソファに座った。
「ほんとにおめでとう。あんな衝撃的な告白は初めて聞いたよ」
「ありがとう、リーマス。あんな事になるなんて考えてなかったのよ。私もびっくりしたわ」
「まぁ、願わくば、ましろに似た子が生まれますようにってとこか?」
「シリウス、犬にしちゃうわよ。で、持って来た?」
慌てて頭を確認するシリウスにみんな噴出し、ポケットから出された羊皮紙に顔を近づける。
「今朝ましろに言われて、リーマスと二人で見てみたんだが、確かにいるんだ」
シリウスが指した先には、『アラスター・ムーディー』
ちゃんとムーディーの部屋にいる。
う〜ん………確か……ムーディーに変身する為に本物をホグワーツに連れてきてたような………
「シリウス、今からムーディーを訪ねて。で、校長室まで一緒に戻ってきてよ。シリウスと一緒に来た人が『アラスター・ムーディー』なら、味方にしよう」
シリウスとリーマスは顔を見合わせた。
「ましろ、私達にはイマイチ状況が分からないんだが、味方とはどういう事なんだ?」
シリウスの言葉にびっくりして、おじいちゃんを見た。
ニコニコして紅茶を飲むおじいちゃん………
話してないのか………
めんどくさかったんだろうな。
「あのね、簡単に言うとハリーが狙われてるの。で、彼を守りたいなって思ってる」
二人は、かぱっと口を開けてしまった。
「ましろ、端折りすぎだ。校長、昨日の羊皮紙を見せていただけませんかな?」
セブの言葉におじいちゃんが杖を振り、執務机から羊皮紙を取り寄せた。
「ブラック、ルーピン、これがゴブレットに入っていたのだ。ゴブレットには錯乱の呪文が掛けられていたらしい。恐らく、ポッターを代表にしようとしたのだろう」
「何故、その羊皮紙がここにあるんだい?今セブルスが言った事が本当なら、ゴブレットの中から取り出したことになる。そんな事は不可能なはずだ」
リーマスの言う事は、建前。
「ふむ、それは必ずしもそうではない。より強い力で取り出すことは可能なんじゃ。ただ、強い力を持っておる者はそういない、ということじゃな。わしにもできん」
おじいちゃんの説明は合ってる。
あんな事、“神”クラスの力がないと無理だもん。
だからこそ、また魔力が上がって、神の力を持ち始めた私には出来た可能性が高い。
まぁ、ヘルメスみたいに上手く出来た自信はないけど。(なにしろ、泥棒の守護神だから)
多分、中身をぶちまけるだろうねぇ、ってコロニスに言われて諦めた。
「では、誰がやったんですか?まさか、ましろ?」
リーマスが信じられなさそうな顔で私を見た。
「うん、私。ちょっと目を離した隙に入れられちゃって、悔しかったから取り出した」
という事にした。
ヘルメスの事は内緒にしとかないと、私の事も話さなきゃならなくなるから。
あの夜、一晩中起きて見てたけど、何度か意識が飛んだときがあった。
セスがその度に起こしてくれたけど、その間に入れられた可能性が高い。
自分とセスに目くらましかけてたから、犯人は私達に気付かなかったはずで、だからこそ、数少ないチャンスを物にした犯人の幸運が恐ろしい。
「そうか、ましろの言う事だ。信じよう。シリウス、僕が代わりに行って来るよ」
リーマスが校長室を出る。
「さて、どうだろう?」
残った四人で、リーマスの足跡がムーディーの部屋へ行くのを目で追った。
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