Follow Me

□対策
2ページ/5ページ



今夜が“その時”だって決めたのは、私。


夕食の後、ましろに呼ばれたと言って、みんなと別れる。



「カリスです。ましろ、いますか?」


「どうぞ」



中からましろの声がした。



「失礼します」



ドアを開けると、スネイプ先生がソファに座っていた。



「さぁ、どうぞ。カリスはココアでよかったかしら?」



ましろがキッチンから声を掛けてくれた。



「はい、ありがとうございます」



トレイを運んできたましろに促されて、スネイプ先生の斜め前に座る。


ましろは先生の隣り。


ココアを一口飲んで、二人を見る。



「ましろ、今日、スネイプ先生に話そうと思います」



ましろはちょっと困ったような顔をした。



「カリス、セブを呼び出して、まさかとは思ってたけど本気なのね?もし、私に気を使ってるのなら………「違います。お二人の間に内緒の事があったらいけないと思ったんです」……そう、ありがとう」



私は先生に向き直った。



「スネイプ先生、私の病気は声が出なくなるなんてものじゃありません。私は、「結構。もう言わなくていい」………え?」



私が一生懸命考えて口にした言葉をスネイプ先生は遮った。


しかも、一番肝心な所で。



「ミス.ローダンス。ましろの薬は体に合っているようですな」



何で?


ましろを見ると、目を丸くして先生を見ていた。



「ましろ、我輩が気付かないとでも思ったのかね?新薬が出来た途端に来た編入生。二倍になった調薬の量。1人分は聖マンゴに送り、一日後には編入生が聖マンゴから薬瓶を受け取る。出来すぎているだろう?大体、声が出なくなるなどと、去年の事を思い出して言ったんだろうが、そこが浅はかなのだ」



先生はましろにバカは治っておらんな、と話す。


ましろは息を吐き、ソファにもたれかかった。



「みんな気付いてるのかしら?」


「さぁ。お前の薬と彼女の薬を結びつけようと思うやつもおるまい」



先生は私を見た。



「ミス.ローダンス、今更話す事はない。今後、ましろが調薬できない時は我輩がやろう。今まで通り、聖マンゴを通して受け取るがいい」


「あの、ありがとうございます。宜しくお願いします」


「セブ、ありがとう!カリスの事、よろしくね」



私のお礼と、ましろの言葉に、先生は頷いた。




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ