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□対策
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今夜が“その時”だって決めたのは、私。
夕食の後、ましろに呼ばれたと言って、みんなと別れる。
「カリスです。ましろ、いますか?」
「どうぞ」
中からましろの声がした。
「失礼します」
ドアを開けると、スネイプ先生がソファに座っていた。
「さぁ、どうぞ。カリスはココアでよかったかしら?」
ましろがキッチンから声を掛けてくれた。
「はい、ありがとうございます」
トレイを運んできたましろに促されて、スネイプ先生の斜め前に座る。
ましろは先生の隣り。
ココアを一口飲んで、二人を見る。
「ましろ、今日、スネイプ先生に話そうと思います」
ましろはちょっと困ったような顔をした。
「カリス、セブを呼び出して、まさかとは思ってたけど本気なのね?もし、私に気を使ってるのなら………「違います。お二人の間に内緒の事があったらいけないと思ったんです」……そう、ありがとう」
私は先生に向き直った。
「スネイプ先生、私の病気は声が出なくなるなんてものじゃありません。私は、「結構。もう言わなくていい」………え?」
私が一生懸命考えて口にした言葉をスネイプ先生は遮った。
しかも、一番肝心な所で。
「ミス.ローダンス。ましろの薬は体に合っているようですな」
何で?
ましろを見ると、目を丸くして先生を見ていた。
「ましろ、我輩が気付かないとでも思ったのかね?新薬が出来た途端に来た編入生。二倍になった調薬の量。1人分は聖マンゴに送り、一日後には編入生が聖マンゴから薬瓶を受け取る。出来すぎているだろう?大体、声が出なくなるなどと、去年の事を思い出して言ったんだろうが、そこが浅はかなのだ」
先生はましろにバカは治っておらんな、と話す。
ましろは息を吐き、ソファにもたれかかった。
「みんな気付いてるのかしら?」
「さぁ。お前の薬と彼女の薬を結びつけようと思うやつもおるまい」
先生は私を見た。
「ミス.ローダンス、今更話す事はない。今後、ましろが調薬できない時は我輩がやろう。今まで通り、聖マンゴを通して受け取るがいい」
「あの、ありがとうございます。宜しくお願いします」
「セブ、ありがとう!カリスの事、よろしくね」
私のお礼と、ましろの言葉に、先生は頷いた。
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