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□第一の課題
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観客席は満員で、ハーマイオニーと二人、ロンが手を振っている席を目指した。
「すごいわ!一番前なんて、良く取れたわね」
ハーマイオニーがロンの隣りに立ちながら話すと、二人とも胸をはった。
「一番に走ったからね。詰められないようにするの、大変だったんだ」
「ありがとう、二人とも。やっぱりフラーは知ってたみたい」
気になっていた事を小声で話す。
「クラムもそんな感じだったわ。驚いてなかったもの」
ハーマイオニーも頷きながら話す。
「ディゴリーから伝言を預かってきたわ。ありがとうって」
その言葉を聞いてハリーとロンがガッツポーズを取った。
ホイッスルが鳴る。
「ディゴリーが出て来るわ」
ハーマイオニーの言葉通り、一番手のディゴリーが囲い地の柵の中に現れた。
みんな大興奮で拍手をし、歓声を上げている。
「どんな作戦なんだろう?」
ロンの言葉が聞こえたのか(?)、ディゴリーは杖を振り、岩を犬に変身させた。
「うまい!ドラゴンの注意を犬に引き付けるんだ!!」
私達はドキドキしながら、犬を見るドラゴンと、反対から回り込むディゴリーの動きを見ていた。
途中までは上手くいっていたのに、卵を取ろうとしたディゴリーに気付いたドラゴンが火を噴いて、ディゴリーは火傷をしてしまった。
それでも金色の卵を持っていたので、大歓声を受けながら、囲い地を出た。
ドラゴン使いがドラゴンを換える。
ホイッスルが鳴る。
フラーは何かの呪文を唱え、ドラゴンを眠らせ、卵を取ろうとした。
すっごく上手くいくと思ったのに、ドラゴンが鼻から炎を噴いてフラーのスカートに火がつき、杖から水を出して消していた。
「あれで減点だ」
ロンが呟く。
またドラゴンが交換された。
「最後は、大本命のクラムだ!!」
隣りでハリーが言っちゃいけないことを言った。
「ハリー、もっと小さな声で話さなくちゃ」
「大丈夫さ。誰も人の事なんて、聞いてないよ!」
確かに。
周りでは一体どうやってクラムがドラゴンをやっつけるのか(!)話してる。
ホイッスルが鳴った!
クラムはどんどんドラゴンに近づいていく。
「ねぇ、何もしないよ」
観客席がざわめく。
ドラゴンがクラムを見ている。
突然クラムが杖を振り上げ、何かの呪文をドラゴンにぶつけた!
ドラゴンは痛がって暴れ回る。
しっぽが周りの岩を砕き、飛び散る。
ついでに卵もいくつか踏み潰した。
「うわぁ、痛そう!!」
クラムがドラゴンの卵に近づき手に取った瞬間、観客席が大歓声に包まれた!!
「すごい!やった!!クラムが一番早かった!!」
隣りでハリーがロンと飛び跳ねていた。
私も嬉しくて飛び跳ねていた時、急に胸が痛くなり蹲る。
なんで?
心臓が止まっちゃった?!
ホグワーツに来て、ドキドキしっぱなしだったからな………
だんだん、みんなの声が遠くなり、私は意識を失った。
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