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□第一の課題
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「カリス、カリス、もう大丈夫よ。そろそろ起きて」
ん?ましろ?
ゆっくり目を開ける。
「あぁ、良かった。処置が早かったのが幸いしたわ。リーマスにお礼を言わなくちゃ」
ましろは私を見てにっこり笑った。
「……ましろ、わたし……死んでないの?」
ましろは目を丸くした後、笑い出した。
「死にたかったのなら残念でした。まだまだあなたは生きるのよ。私の予想だと、あと90年は死ねないわね」
私の手を握って、ましろが良かった、と呟いた。
「あの、私、どうしちゃったんですか?急に胸が痛くなったから………」
ましろは私が体を起こすのを手伝ってくれてから椅子に座った。
「カリス、あなたは怪我したの。ドラゴンが暴れて砕けた岩の破片があなたを直撃して………隣りにいたハリーにも当ってね、彼は背中に怪我したの」
いつの間に着替えたのか、パジャマの上から鼓動を確認する。
いつも通り。
「厚着をしていたのに、刺さっていたのよ。まだ少し傷があるでしょう?」
ボタンを外し胸元に目をやると、3センチくらいの切り傷。
「ちょうど肋骨に当って心臓は無事。傷跡も私が治してあげるから心配しないで。あ、血まみれの服は処分していいか聞きたいんだけど………」
血まみれ?
ここだけしか怪我してないのに?
「あぁ、他の怪我はもう治ってるの。手や顔にも切り傷があったのよ。他の破片が飛んできたんだと思うわ」
ましろは小さなトレイを私に渡した。
「さ、食べて。早く治すには食べるのが一番なのよ」
トレイの上には、豪華な食事。
「ましろ、これ、夕食ですか?」
「えぇ、そうだ!これ飲んで!!」
いつもの小瓶を渡され、蓋を開けて飲み干す。
「いつも寝る前に飲んでるんだったわよね?まだ夜だから、大丈夫でしょう。一日半以上開いたら危なかったかもね」
「ましろ、今何時ですか?」
「うん?水曜日の午前……3時」
懐中時計を見ながら、ましろが普通に教えてくれた。
それでも夕食って言える、ましろってすごい。
「一人じゃ食べにくいでしょう?私も一緒に食べるわ」
サイドテーブルには、山盛りの食べ物。
「ましろ、それ食べるの?」
「そうよ。今は二人分だからね。」
そっか?
どう見ても3人前以上あるようだけどな。
それから二人でお腹一杯食べて、ぐっすり眠った。
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