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□ボディーガード
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そして私のボディーガード付き生活が始まった。


その事を知ってるのは、先生達とハリー、ロン、ハーマイオニーに私。


シリウスは実際にべったりくっ付いているんじゃなくて、ちょっと離れて様子を見てる感じだった。


前からハリーに声を掛けていたので、他の子達も、あんまり気になってないみたいでほっとした。


嬉しかった事は魔法生物飼育学を見学扱いになった事。


しばらくは無理しないようにっていうましろの指示だった。


今までも充分気持ち悪かったスクリュートは、私が授業に復帰した12月には2メートルほどになっていて、もう誰にも制御できなかった。



「えぇ〜いいなぁ、カリス。僕も見学したかった」


「ロン、私の代わりに危険な目にあってくれるなら、喜んで交代するよ」



冗談交じりの一言に、ロンが慌てて首を振った。


実際スクリューとの世話の方が危険な気もするんだけどなぁ、と、みんながスクリュートの冬眠の準備をやってるのを、小屋の中から見ながら思った。


スクリュートが箱を壊して、かぼちゃ畑で暴れ始めた。



「あ!シリウス、みんながやってきます!」



本を読んでいたシリウスは窓から覗き込んで、マズイな、と言って外へ出た。


入れ替わりに生徒たちが小屋の中に入ってくる。



「早く入れ!ドアを閉めろ!!」



一番に入ってきたマルフォイがボディーガードに指揮して、閉めたドアの内側に椅子やテーブルでバリケードを築いた。



「まったく、狂ってる!何で僕がこんな事になるんだ?あぁ、カリス、お前もういいのか?」



怒りながら周りを見ていたマルフォイは私に気付いた。



「はい、この授業は見学ですが……あの、フラーの通訳代わって頂いて、ありがとうございました」



第一の課題の後、怪我した私の代わりにマルフォイがフラーに説明してくれた、と、ましろに聞いた。

(ましろも、治療の為代わりが出来なかった)



《いつの間に練習したんですか?》


《特に練習しなくとも以前から、たしなみ程度には出来たからな》



へぇ、凄い。


私の話す言葉にちゃんとついてきてる。



《最初からボーバトンの通訳をやっても良かったんじゃないですか?》


{ダームストラングの校長と父上が友人だから、こちらにしてもらった。ブルガリア語をきちんと習得するチャンスだしな}


{もう、十分だと思いますよ}



私達がフランス語やブルガリア語で話していると、後ろから肩を叩かれた。


私を小屋の隅に引っ張っていって小声で話す。



「ねぇ、なんて言ってるの?」



それはスリザリンの女の子。


名前は確か、パーキンソン?



「あぁ、上手にしゃべれてるって」



パーキンソンは片眉を上げた。



「本当に?もっと長く話してたじゃないの」


「フランス語もブルガリア語も上手に話せるから、凄いって言ったよ」


「それだけ?他に………何も?」


「何も。パーキンソン、どうかした?」



腕を組んで私を見るパーキンソンは、しばらく考えた後、まぁ、いいわ。と言った。



「ローダンス、ドラコの相手は私なの。いい?分かった?」


「ん〜っと、つまり、マルフォイを好きなんだね?」



パーキンソンの顔が赤くなる。



「私、他に好きな人がいるから心配いらないよ」



マルフォイはどちらかと言うと苦手な人だし。



「今の言葉、信じるわ。ローダンス、一つ教えてあげる。あなたの怪我、熱狂的なファンの所為かも」



意味が分からない。どういう事?



「あなた、普通なのに有名人に近づきすぎ。ポッター、ドラコ、ディゴリー、クラム………もちろん私は違うけど中には過激な事を考える子もいるから」



気をつけた方がいいわ、とパーキンソンは言い残して離れていった。


ハリーはともかく他の三人は不可抗力だ。


フラーの通訳とはいえ、話し掛けられればディゴリーやクラムとも話す。


何より傷付いたのは“普通”って言葉。


多分、ハーマイオニーは勉強が出来るし、可愛いからこんな事にはならなかったんだろう。


あぁ、ショック。


もっと可愛くて、賢い子だったら良かったのに。


授業の終わりを告げる鐘の音が聞こえ、ハーマイオニー達と一緒に城へ戻った。






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