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□クリスマスパーティー(2)
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時間になって、談話室に降りていく。
いつもの黒いローブではないので恥ずかしい。
「カリス、君、カリスだよな?」
後ろから掛けられたライアンの声に心臓が飛び跳ねる。
「えぇ。私よ、ライアン」
振り向くと、いつもと雰囲気の違うライアンにドキドキが止まらない。
≪あぁ、やっぱり、きれいだ。俺、今日一番のラッキーマンだ≫
≪もう、からかわないで。ライアン、大人の人みたい≫
かっこいい、と言いそうになって、口を閉じた。
なんだか本当の恋人になったみたいだったから。
差し出された腕に手を載せて、談話室を出た。
大広間が開くのを待つ。
さっき、ハリーとパーバティーのペアには会った。
ロンはまだパドマに会ってなくて、きょろきょろしてた。
ライアンは玄関ホールの中をぐるりと見回して、なんでか胸を反らした。
「どうしたの?なにかあった?」
≪いや、スリザリンのやつがいたから≫
≪どういうこと?≫
≪カリス、こんなとこでなんだけど………君、マルフォイの事どう思ってる?≫
は?
≪一時期、すごく、その、仲良かったみたいだったから≫
………………前にハーマイオニーが言った事思い出す。
≪別に。なんとも思ってない。一緒に通訳するから教えたりしてたけどね≫
話していると、玄関の扉が開いた。
ダームストラングの生徒が入ってくる。
先頭はクラムだ。
ブルーのローブを着た可愛い女の子と腕を組んでいる。
「ハイ、カリス」
私の前を通り抜ける時に小さく呟いて、手を振った。
あの子……………
ハーマイオニー!!
叫びそうになって、慌てて口を押える。
髪がまっすぐになって、後ろでシニョンに結い上げてるし、いつもみたいに本をたくさん抱えてないから全く別人!
いや、可愛いのは知ってたけど、一瞬どころか、二瞬も三瞬も分かんなかった。
呆然と後姿を見る。
「いや〜分かんなかった。あれ、グレンジャーだろ?」
ライアンの言葉に頷く。
「元が可愛いと、何しても、何着ても可愛いって見本ね」
「や、そういう事じゃなくて、俺はカリスが一番可愛いって言っただろ?」
や、私もそういう事じゃなかったんだけど。
「はいはい、お二人さん、そんな事はフランス語で話してちょうだい」
へ?振り向くと、ましろが立ってる。
「今の、英語だったわよ、ライアン」
ましろはにこにこして周りを指差した。
みんなにやにやしてる。
≪ライアン!恥ずかしすぎ!!≫
≪ごめん、変換利かなかった≫
言葉は分からなくても、顔を真っ赤にしてる私に謝るライアンを見て、周りが爆笑する。
≪ま、仲がいい事はホグワーツ中が知ってるから、今さら、かな?≫
ましろの言葉にさらに顔が赤くなる。
「さ、機嫌直して。そろそろ入場よ」
ましろの言葉と共に、大広間の扉が開いた。
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