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□クリスマスパーティー(2)
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◆ リーマス ◆
教員席で入場してくるペアを見る。
カリスがライアンと入ってくる。
あの二人が付き合いだしたという噂はあっという間に広がり、これで彼女に危険な事が起きる事はないだろう、一応安心する。
核心はないので、できるだけガードはして行こう、とシリウスと決めた。
「なぁ、何で俺たちはここに座ってるんだ?」
隣でシリウスがぼやく。
「しょうがないよ。私たちは遊んでる訳にはいかないんだから」
「じゃぁ、あれはいいのか?」
シリウスは今入ってきた二人を指差した。
「彼らは………夫婦だからね」
「なんか損した気分だ。大人になってまで、あいつらのアツイとこ見せつけられるなんて………はぁ」
ましろはセブルスと腕を組んで幸せそうだ。
濃ピンクのドレスローブが良く似合っている。
「やっぱり、セブルスのドレスチョイスはうまいね。あれならお腹が大きい事もほとんど分からないよ」
髪は緩く結い上げ、右側に少しだけ残した長い髪が艶っぽい。
「やっぱ、納得いかねぇ。俺の方がどんなにいい男だか………」
「シリウス、欲求不満ならしかるべき所で発散する事をお勧めするよ」
そんなんじゃねぇ、と乱暴な口をきくシリウスの気持ちも分からない訳ではない。
私達の憧れだった彼女が選んだ男が自分で無かった、という敗北感。
自分の方が優れている、というプライドを傷つけられた事。
本来なら大昔に癒されていたはずのそれは、忘却術のおかげで癒される事なく、記憶が戻った今、鈍い痛みをもたらしている。
「おっ、ハリーだ。パートナー、パーバティーにしたんだったな」
「あぁ、学年一の美人を落としたって誰かが言ってたよ。ジェームズは大喜びだった」
「そうか?俺はアーサーとモリーのとこの、ほら、「ジニー?」そう!あの子の方がいいと思うけどな」
「…………生徒に手を出したら、追放されるよ?」
「誰がこんな乳臭いようなのを相手にするかっ!ハリーの相手だよ」
「あぁ、なるほど。君がまた遠くに行かなくてよかったよ」
しばらく“ハリーの相手は誰がいいか?”という、彼にとっては迷惑以外で何でもない話題で盛り上がった。
※シリウスの発言 ”乳臭い”=おっぱいの匂いのする赤ちゃん=子ども って事です。
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