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□クリスマスパーティー(2)
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☆ ましろ ☆
かつてないご馳走に心が躍る。
「セブ、美味しいね」
悪阻なんかとっくの昔に終わった私を待っていたのは、“食欲魔神”の降臨。
メニューに書かれている文字を上から順番に読んで、平らげる。
今日は屋敷しもべたちも大忙しで、リントも朝から厨房に行って動き回ってるはず。
「ましろ、あんまり食べたら動けなくなるぞ」
あ、ダンスがあるんだった。
「そだね。後はデザートにしよう」
チョコケーキも、ゼリーも美味しかった。
食事が終わると、ダンスタイム。
テーブルは片付けられ、ステージが出てきた。
『妖女シスターズ』がステージに上がり、楽器を取り上げる。
まずは代表選手。
あぁ、ここにハリーが、私が入んなくて良かった。
セディがチョウと優雅に動くのや、ハーマイオニーがクラムとぎこちなく動くのや、ロジャーがフラーにメロメロになってるのを見ながら、羊皮紙の犯人を考える。
「ましろ、パートナーをお願いできますかな?」
「よろこんで」
セブに手を取られ、ホールの端で体を揺らす。
セブのゆったりしたリードは優しくて、心地いい。
一曲終わった所で、速いテンポの演奏になった。
「ましろ、しばらく休もう」
壁際にある椅子に座り、生徒たちを見る。
「あら、ハリーもロンも休憩なのね」
隣のパチル姉妹は相当頭にきてるらしい。
不機嫌さを隠そうとしていない。
「あれは、休憩ではないな。ポッター(父)とは違うらしい」
セブがソフトドリンクを渡してくれながら面白そうに見ている。
腕の焼印が消えたあの時からセブは変わった。
もちろん、授業中に厳しいのは焼印のせいではなかったので変わってないけど、たまに、表情が優しくなる。
前は限られた人にしか見えてなかった笑みに気付く人が増えた。
嬉しい反面、ちょっと残念な気がするのは、ワガママかな?
「失礼。ミセス.スネイプ。セブルスをお借りしてもよろしいかな?」
近づいてきたのはカルカロフ校長。
セブがすまない、という表情をした。
でも、遅かれ早かれ彼から接触してくる事は想像してた事。
「えぇ、構いませんわ。後で返して下さいね」
笑顔に載せて言葉を返す。
一瞬ヘンな顔をしたカルカロフは、もちろん、と言ってセブを急かすようにホールを出ていく。
さて、しばらく暇だ。
何しようかなっと周りを見ると、さっきまでハリーたちがいたテーブルが注目されてる。
「違うね!勝つことが目的さ!!」
ロンの叫びが聞こえた。
あら、ハーマイオニーと喧嘩だ。
ハリーが関係なくてもこのイベントはあるのね。
痴話げんかに口をはさむと火の粉がかかって来そうなので傍観。
ハーマイオニーは怒って席を立ち、それを見ていたパドマも席を立った。
一年生の時にあげた本、しっかり読んどけばこんなことにはならなかったはずなのに………
いつまでも成長しないであろうロンと、一足先に大人になりつつあるハーマイオニーの今後が心配になった。
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