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□『日刊預言者新聞』 No.1 
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◇ カリス ◇ 


『魔法生物飼育学』にハグリッド先生もマルフォイも来なかった。


代用教師のプランク先生は『スクリュート』ではなく『ユニコーン』を教材に使った。


『ユニコーン』はきれいだし、先生は魔法特性を大きな声で列挙するし、…………初めて……本当に授業を受けたような気がした。


ハリーやロンはすごくイライラして、それはハグリッド先生の事を書いた記事の所為だって分かってたけど、でも、授業は本当に楽しかった。


授業が終わって大広間で昼食を取っている時も、ハグリッド先生の席は空で、記事にショックを受けてるんだろうってみんなで話した。


ハグリッド先生が『半巨人』だって事は、ハリーとロンから休暇中に聞いてたから私達はどうも思わなかった。


もちろん聞いた時はびっくりしたけど、ハーマイオニーの言葉の方がびっくりした。


“巨人の事でヒステリーになるなんて、どうかしてるわ”


“狼人間に対する偏見と同じね”


“単なる思い込みだわ”


ハーマイオニー、私の病気の事を聞いても同じ事言ってくれるかな?



「カリス、夕食後、ハグリッドのとこに行くけど、どうする?」



ハリーに訊かれてちょっと迷って、行かない事にした。


ましろに、あまり出歩かないように言われてたから。



「ハリー、ごめんなさい。やっぱり行けない。ましろに出歩くのを控えるように言われてるの」


「あら、ライアンと付き合いだしたからもう平気なんだと思ってた」



ハーマイオニーの言葉にたじろぐ。


あの後、ライアンにはましろから話が行って、付き合ってるふりをしてもらう事になった。


もちろん、ふりだけ。


ライアンは私の気持ちが向くまでは”ふり”で良い、と快く(?)引き受けてくれた。



「うん、でも、本当の理由は分からないから」



肩を竦めていると、後ろに誰か立った気配。



「ポッター、聞きたい事がある。ウィーズリーも」



その声は、偉そうな言い方は、



「マルフォイ、何だ?お前に話す事なんかない。胸くそ悪いスキーターの婆ぁと仲良くしてればいいだろ?」



………ロン、良くそんなにぽんぽん出てくるね。



「僕だって………ましろの頼みだ。お前達に訊いてくるように言われた」



ましろ?


慌てて教員席を見ると、ましろもスネイプ先生もいない。



「マルフォイ、ましろは?一緒に出て行ったでしょ?」



マルフォイは言いにくそうに顔をゆがませた後、医務室だ、と小さく答えた。



「何で?!お前なんかしたのか?!」



ハリーが席を立つ。



「何もしてない!お前は訊かれた事に答えればいいんだ!」



マルフォイが大声を上げた。


手をぎゅっと握りしめて、なんだか泣きそうな顔してる。



「はい、そこまで。三人とも、僕の部屋へおいで」



マルフォイの肩に手を置いたのは、リーマス。


にっこり笑ってるけど、いつもと雰囲気が違う。



「はい、先生」



リーマスがマルフォイを連れて大広間を出ていくのに、ハリーもロンも付いて行った。



「いったい何が起こったのかな?」


「カリス、とりあえず食べましょ。何があったかは後で聞けばいいわ」



ハーマイオニーはチキンを食べながら、ユニコーンの話を始めた。






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