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□『日刊預言者新聞』 No.1 
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「で?思い出した?」



ハリーは午後の授業(薬草学だったけど)ほとんど上の空だった。


マルフォイに訊かれた事をずっと考えていたみたい。


ペアを組んだハーマイオニーが全部やってた。


だから、思い出してない、なんて言い出そうものなら、多分、絶対、ハーマイオニーがキレる。



「う〜〜ん、あの時は暗かったし、妖精がたくさん飛んでたのは覚えてるんだけど………」



ハーマイオニーが息をのんだ。


怒りだすのをがんばって堪えてるみたい。


ロンは二人を他人事のように見てる。


一緒に聞かれたけど、衝撃が大きすぎて全く覚えてないから役に立たないんだって。


自分で言ってた。



「……ハリー、よ〜〜っく考えて。あなた達みたいに草むらに隠れていた小さな生き物よ?何かいなかった?」



ハーマイオニーが言う小さな生き物。


ましろはそれが知りたいらしい。


自分で動けないから、マルフォイに訊いてくるように頼んだんだって。



「カリス、小さな生き物って聞いて何思い出す?」



ハリーは私に振った。



「え〜〜っ……ネズミ?鳥?虫?」


「虫?!」



ハリーは大声を上げる。



「いた!トナカイの石像の所にコガネムシがいた!!」



談話室中が私達を見る。



「ハリー、声が大きい!」



ハーマイオニーと私が周りに何でもないの、と笑顔を見せる。



「じゃぁ、今からましろの所に行った方がいいわ。多分、すごく待ってるはず」



マルフォイを使うくらいだもの、とハーマイオニーがハリー(とおまけにロンも)を追い出した。







「カリス、何でましろはコガネムシの事を知りたかったんだと思う?」



二人がいなくなってから、小さな声で話す。



「さぁ、分からないわ。ましろは頭がいいから色んな事を考えてるんでしょ?」



ハーマイオニーはにっこり笑って、分かったの、と言う。



「想像だけど、ましろはスキーターがコガネムシを使って情報を集めたと思ってるんだわ。だって、あそこにはハリー達しかいなかったはずだもの」


「…………ハーマイオニー、じゃ、なんでましろはあそこでハリー達が訊いてた事知ってるの?」



こんな事、ハリーが他人に言うはずない。



「………そういえば、そうねぇ………でも、ましろって色んな事知ってるの。彼女に隠し事なんか出来ないって感じ。もしかして預見者じゃないかしら?」



そりゃ、前もって知ってたら、色んなこと出来るだろうけど………



「でも、それならハグリッド先生の記事なんか、書かせないように出来たんじゃない?」



ハーマイオニーは、はぁって息を吐いた。


………呆れてる?



「カリス、預言って、そんな甘いものじゃないわ。一瞬を捉えるのよ。だから、預言って訳の分からない事だらけ。その言葉をどう解釈するかはそれぞれなの」



肩を竦めるハーマイオニーに、ましろって謎だらけねっていうと、一番の謎はスネイプと結婚した事、だって。






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