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□『日刊預言者新聞』 No.1
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★ セブルス ★
午前中の授業が終わり、昼食に行こうとすると、教室の前にマルフォイが立っていた。
「先生、あの、ましろが………」
朝、二人で出ていってから気にはなったが、私は授業があったので、そのままにしていた。
マルフォイのこの様子…………
ましろに何かあったのか?
襟元に手をやる。
ドッグタグは温かい。
「マルフォイ、ましろがどうかしたのかね?」
落ち着いて、話しかける。
「ましろは、今、医務室です。先生を呼んでいます」
心臓が跳ね上がる。
マルフォイをそこに置いて、医務室に急ぐ。
生徒に不安を見せる訳に行かないので、走れないのがもどかしい。
ノックもせずに医務室のドアを開ける。
一番奥のベッドにダンブルドアがいる。
「校長、ましろに何が………」
ドアを閉めて駆け寄ると、ダンブルドアは体をずらし、場所を開けてくれた。
「あ〜〜〜ごめんなさい。大したことじゃないの。ちょっと、寒かったから…………」
ベッドの上に体を起こし、予想以上に元気なましろの様子に力が抜けた。
「怒ってたし、興奮してたし、ちょっと………「もういい。分かった。ついて行かなかった私も悪かった」……ごめんなさい」
あの記事を見せた段階でこうなる事は予想できたはずだった。
「セブルス、怒っておるましろは誰にも止められん。そう気に病む事もないんじゃ。な、ましろ」
へへっと笑うましろを抱きしめる。
「ましろ、お前は“母”になるのだろう?あまり感情に流されるな。そのうち、子どもにも心配されるようになる」
「うん。ほんとにごめんなさい。で、もう一個ごめんなさい、しとくわ」
まだ何かあるのか?!
体を離し、ましろの顔を覗き込む。
「私、リータ・スキーター許せないの。だから、ちょっとだけ“スリザリン”になるわ」
??どういうことだ??
「おじいちゃんにお金、借りたの。たくさん。私のじゃ足りないかもしれないから………」
益々訳が分からない。
私の金庫の物を使えばいいではないか?
「セブのお金はこの子に必要だから使わない。おじいちゃんには承諾してもらったわ」
ましろはお腹を優しく撫でる。
「で?何を買うつもりなのかね?」
ふふっっと笑ったましろは、ひ・み・つ、と自分の唇に人差し指をあてた。
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