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□神々
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「セブルス。その方、本当はどうしたいのじゃ?」
私の焦りを見透かしたようなアルテミスの言葉に本心を伝えるしかない、と決める。
「私は、ましろと一緒にいたい」
アルテミスは口元を上げた。
「それでいいのじゃ。出産の時はわらわがエイレイテュイアを連れてきてやる。なに、おさ「アルテミス!」あぁ、まぁそういう訳じゃ。心配せずともよい」
今、何と言おうとしたのだ?
「良かったね、セブルス。ましろは僕が連れてきてあげるからね」
手を引かれ隣を見ると、ヘルメスが私を見上げて笑っていた。
ようやく視線を離す事ができて安堵する。
何とか赦してもらえたようだ。
「おぉ、そうじゃ。神もどきはどこにおる?」
アルテミスの言葉にヘルメスが笑いだした。
「あぁ、アルバス!女王様がお呼びだ」
ダンブルドアがにこにこしながら近寄ってきた。
「これはこれは、お目にかけて頂き光栄でございます。アルバス・ダンブルドアにございます。お見知りおきを」
ダンブルドアは腰を深く曲げ、アルテミスが差し出した手にキスした。
「ふむ………ましろの部屋じゃが、なるべく日当りのいい、暖かい所に移すように」
「かしこまりました」
「アルバス、頭をお上げ。今までましろを良く見てくれた。これからもましろを頼んだぞ」
「こちらこそ、感謝しております。ましろにはたくさんの幸せをもろうております。もったいないことです」
アルテミスは当然だ、と言うかのように頷いた。
視線を落とし、ヘルメスを見る。
「ヘルメス、わらわは帰る」
「アルテミス、帰りもちゃんと帰ってね」
分かっておる、と言いながら踵を返す。
彼らはその場で姿を消せる。
ヘルメスはヒトの振りをしろ、とアルテミスに伝えたのだろう。
来たときのようにすぅっと歩を進めようとして、アルテミスは止まった。
顔はまっすぐ前を向いたまま、ヘルメスに話しかけた。
「ヘルメス、ここには面白い者がおるのう。わらわが“虜(とりこ)”にしても良いだろうか?」
面白い者?
一体誰の事だ?
「ダメだよ。彼らの事はましろが心砕いてるんだ。邪魔したら泣くかも、よ?」
「おぉ、それはいかん。が、もう手遅れかもしれんがのう。では、また来る」
こちらからは表情が見えないが、若干、声が沈んだような気がする。
なんだか、そう………失敗した、とでもいう声音。
今度こそ本当にアルテミスは進み始め、開きっぱなしだった大広間のドアから出て、手を振り、閉めた。
緊張の糸が切れその場に座りこみそうになったが、大広間中の喚声に気を引き締めた。
「じゃ、僕は今から行ってくる。何処に連れてきたらいい?」
「では今の部屋に。ましろと相談してから部屋の場所を変えた方がいいでしょうな」
ヘルメスとダンブルドアの話を聞きながら、嬉しくて叫びそうなのを一生懸命堪える。
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