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□神々
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◇ カリス ◇
「ねぇ!聞いた?!ましろ、帰ってくるわ!!」
ハーマイオニーの言葉に、反応出来ない。
あの、アルテミスって呼ばれてた王女様。
あの人が現われた時、心臓が尋常じゃないくらい跳ね上がった。
入ってきたあの人と目があった時、全身から汗が噴き出た。
慌てて目を伏せたけど、髪の毛が逆立ったかと思った。
これ、あれだ。
『変身』の前兆だ。
あんまり久しぶりだったから忘れてた。
「カリス、大丈夫か?医務室に行こうか?」
隣にいたライアンが顔を覗き込んでくる。
「ほんと!顔色が悪いわ」
どうしよう。
医務室じゃなくて、ましろに会いたい。
「や、ましろのと…こ……行きた………い」
薬は飲んでる。
意味が分かんない!
「カリス!しっかりして!!」
こわいっ!
自分の事が怖くて、しっかり体を抱きしめる。
こんなとこで『変身』したら学校通えない!
みんなと遊べない!
ライアンのそばにいられない!
ましろっ!お願い助けてっ!
「ミス.ローダンス、しっかりするのじゃ。セブルス!彼女をましろの部屋へ!!」
誰かが私を抱え上げようとすると、バンっと扉の開く音がした。
「カリス!大丈夫よ。すぐ良くなるわ」
「ぁ………ましろ…」
こんなに早く?
「そうよ。あなたの事を聞いて、飛んで来ちゃった。さ、これ飲んで」
これ、いつもの薬とは違う。
味も、喉を通る感じもいつものより軽い。
「セブ、カリスを………わたし……の…へ………」
ましろの声が聞こえ続ける中、意識が遠のいて行った。
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