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□報告
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「俺がアズカバンで聞いたのは?」


「ミスター.クラウチの奥さん。息子の身代わりになって、あそこで亡くなったの」



彼女も愛情の使い方を間違えた。


ただ、その気持ちは痛いほど分かる。


我が子の苦しみや悲しみは代われるものなら代わってやりたい。


自分の身を削ってどうにかなるのなら、血を流す事など何でもない。


自分の命を差し出して済む事なら、代わりに殺して、と願うだろう。


あの時のリリーのように。



「ましろ、大丈夫か?」



黙ってしまった私を心配して、セブが手を握ってくれた。



「うん。“お母さん”はすごいなぁって思って。私も“すごいお母さん”にならなくちゃ」



セブの腕の中に収まっているアイを見る。



「ましろは、そのままでいい。今でも“すごいお母さん”だ」



へへっ、嬉しい。



「あ〜〜、僕達、忘れてますよぉ!!」



キスしようとしたら、ジェームズに邪魔された。


あぁ、いたんだ。


そういえば………



「ジェームズ、これからどうするの?休みまでいる?」



後一週間で夏休み。


このままホグワーツにいて、ハリーと一緒に戻ってもいいんじゃない?



「ましろ、僕、帰んなくちゃ。リリーが淋しがってるからね」



ジェームズが残念そうに話す。



「ハリーに怒られたんだろ?ヘンな事言うなって」



シリウスがジェームズを突く。



「ましろ、ジェームズ、カリスを口説こうとしたんだって」



リーマスが笑いをこらえて話す。



「違う!!可愛いねって言っただけさ。ハリーったら、思いっきり僕の足を踏んだんだよ?ひどいと思わないかい?」



………ハリーの姿で言ったからでしょ?



「ハリーに透明マントで一緒に行ってもらってて正解だった。放っておいたらハリーがプレイボーイだって噂が流れる所だったわ」



ぷぅぅぅっとシリウスが噴き出した。


ジェームズは膨れてる。


透明マントは優勝者が決まったら脱いでいいって事にしてた。


時間がないので理由は話さずお願いしたのに、ハリーが快諾してくれたのには驚いたけど。



「そうだ。ハリーには昨日僕から話しておいたよ。ジェームズとはしばらく話したくないんだそうだ」


「ありがとう、リーマス。………ジェームズ、リリーに女の子口説いてたって報告はしない方がいいのよね?」



ジェームズが大きく頷く。


まぁ、夏休みにハリーが話すだろうけど。



「やはり、口説いていたのだな」



セブの言葉にジェームズ以外の三人で大笑いした。



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